- 出演者
- 有馬嘉男 森花子
ゲームは世界で37億人が熱狂し年間30兆円が動く。3D技術を導入し誰もが楽しめるエンタメへと進化させた。開発の裏には夢を追い続けた異端のエンジニアと半導体技術者との運命的な出会いがあった。
オープニング映像。
1975年、日本は戦後最悪の不況に陥った。ユニークな商品で世界をあっと言わせる企業、ソニーに久夛良木健はエンジニアとして採用された。久夛良木はデジタル技術の開発に没頭していった。実家は下町の印刷所で貧しく、病弱な少年だった。行き場のない好奇心を機械いじりで満たした。入社して8年が経った1983年夏、任天堂が開発した家庭用ゲーム機ファミリーコンピュータが発売された。
久夛良木は任天堂に向かい多彩な音を出せるようにしないかと提案した。ファミコンのサウンドチップ開発を行うことになる。完成した音源チップは次世代ゲーム機スーパーファミコンに採用された。これまで同時に3つしか出せなかった音の数が8つに増え、ゲーム音楽の幅が広がった。さらに久夛良木は自社のCDをソフトに使う契約をも取り付けた。データ量が従来のカセットの100倍以上にもなりゲームはさらに進化。久夛良木はCDでソフトを作ってもらうため、ソニーミュージックに飛び込みソフト開発協力を取り付けた。そんな中、任天堂が海外メーカーとも並行して同じようなゲーム機の開発を進めていることがわかった。久夛良木は最新技術を駆使し独自のゲーム機を作ることになった。
丸山茂雄、久夛良木健、鈴置雅一が登場。丸山はイノベーションの連続でないと世の中は変わっていかないと話した。
1992年、家庭用ゲーム機開発が始まった。実現に欠かせなかったのがリアルタイム3DCG。当時の家庭用ゲームは2Dが主流だったが、3Dにすれば臨場感溢れる新しいゲームができると考えた。久夛良木は社内のテレビ局向け技術に目をつけた。システムGは1秒のCG映像を作るのに数日を要する時代に、リアルタイムでCGを作ることができた。開発メンバーをかき集め、システムの心臓部分を1cm四方の半導体に小型化した。3Dを形作ることはできたが臨場感を宿すためには陰影や質感が必要不可欠だった。
久夛良木は東芝の3Dグラフィック半導体をゲーム機用に改良することになった。1980年代、東芝は半導体事業で世界トップクラスのシェアを誇り、大橋はアメリカで最先端の3D技術に触れた。帰国後は開発チームを立ち上げイラストや設計などで使える3D技術の研究に没頭した。スティーブ・ジョブズから共同開発の相談を受けたこともあったが、日本ではまだ使い道がなかった。久夛良木は100万台売れるゲーム機の半導体を作るように頼み、ソニーとの半導体開発がスタートした。
久夛良木たちはソフト制作に協力してくれるメーカーを見つける必要があった。ゲーム機ができても3Dの魅力が伝わるソフトがなければ発売できない。しかし電機メーカーの新参者への反応は想像以上に冷たかった。ナムコは家庭用の3Dゲーム機への参入を同じように目論んでいた。タッグを組んで最新のレーシングゲームを家庭用に展開することを決めた。竹中は独学で技術を勉強しゲーム用に半導体を設計し直し始めた。試作機ができあがり、全国を回って集めたソフトメーカーの名刺に片っ端から電話をかけた。本社にはソフトメーカー60社、300人のクリエイターが詰めかけた。3D技術を生かしたデモ映像を用意していたが会場は静寂に包まれた。
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翌日、ソフトメーカーからの問い合わせが殺到した。半年後のクリスマス商戦に間に合わせたいという無茶な要求だったという。構想からおよそ3年、ついに完成した。発売当日、販売店の前には前日から長蛇の列ができた。用意した10万台はあっという間に売り切れた。その頃、大橋にはがんが見つかっていた。ゲーム機を妻に誇らしげに見せ喜びを分かち合ったが、大橋は発売から1年後の1996年2月に静かに息を引き取った。プレイステーションはさらに進化を続け、シリーズ累計6億台を超える売り上げを記録した。
鈴置雅一はプロジェクトに参加できたことについて、「エキサイティングだった、新しいことをやり続けないとつまんないという変な行動原理ができてしまう」などと話した。
大橋は46歳の若さでこの世を去った。アメリカの大手新聞で世界を席巻したゲーム機を影で支えた功労者として称えられた。大橋の家には30年経った今でも当時のゲーム機が大切に残されている。久夛良木は現在では大学教授として教鞭をとる。今や世界のカルチャーとなったゲーム。その技術はAIやVRとも融合し災害予測や映画の撮影などにも使われている。
エンディング映像。
新プロジェクトX〜挑戦者たち〜の次回予告。
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