アメリカのIT大手・アマゾンが手掛けるクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」で20日、障害が発生し、世界中の企業や政府のウェブサービスやアプリなどに一時影響が出た。クラウドサービスとはネットワーク経由でサービスを利用する仕組み。AWSはクラウドサービス市場の3分の1のシェアを持つ大手で、世界中の企業や政府機関にデータ保管やアプリの利用環境などを提供。利用する企業にとって自前でインフラ整備する必要がないなどのメリットがある。日本時間のきのう午後4時ごろ、AWSが複数のサービスにエラーや遅延が発生していると発表。約2時間後、根本原因を特定したと発表。アメリカの東海岸のデータセンターで問題が発生したとしている。これまでに復旧したとしているが、欧米メディアは一部では影響が続いたと伝えた。今回の影響は分野を問わず広範囲のサービスに及び、各地で送金・ログインが不能になった。イギリスBBCはインターネットサービスの通信障害についてまとめている「ダウンディテクター」を引用する形で、650万件以上の通信障害の報告が寄せられ、1000社以上が問題に直面したと伝えている。AWSによると、障害を受けたサービスは142にのぼり、日本時間午前7時ごろまでにすべて回復。アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは“クラウドサービス大手がくしゃみをするとインターネットが風邪をひく”という専門家の話を紹介。今回の障害は代替手段の確保など社会を支えるサービスをどうやって維持するのか考えるきっかけとなりそう。
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