ゼレンスキー大統領との会談を月曜日に控え、趣味のゴルフに出発したトランプ大統領。前日にプーチン大統領をアラスカに招いて行われた首脳会談の詳細が分かってきた。ニューヨーク・タイムズによると首脳会談でプーチン氏はウクライナが東部ドンバス地方をロシアに割譲する見返りに、今後ウクライナを攻撃しないと書面で約束する提案をしたという。ウクライナ東部・ドンバス地方にあるルハンシク州とドネツク州。アメリカの戦争研究所によるとロシアはルハンシク州の全域を掌握しているのに対し、ドネツク州の約25%は制圧に至っていない。ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ氏がロシアとの戦闘が終わった後のウクライナに「安全の保証」を提供する用意があるとヨーロッパ各国の首脳らに伝えたと報じた。ヨーロッパ主導の平和維持部隊にアメリカ軍が支援をする可能性を示唆したという。ゼレンスキー氏はSNSで「私たちはトランプ大統領が提案するウクライナ・アメリカ・ロシアの3者会談を支持します」と投稿。アメリカのニュースサイト「アクシオス」によると、トランプ氏は早ければ22日(金)に3者会談を開催したいと伝えたという。戦闘機が歓迎の編隊飛行を行うなど、プーチン氏を異例の厚遇で出迎えたトランプ氏。ロシア大統領府によると、帰りのプーチン氏の専用機をアメリカ軍の戦闘機が護衛したという。モスクワ市民が「制裁の導入は延期されたし、平和の希望が見えてきました」などとコメントした。月曜日にはワシントンでトランプ氏と会談し、金曜日にも3者会談の可能性が伝えられているゼレンスキー氏。ロシアの専門家が「力の差が歴然としていて、ウクライナはこの案をのまざるを得ないかもしれません」などと話した。
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