米国やEUは、中国メーカーによるEVや太陽光パネルなどの過剰生産問題に懸念を強めていて、今回のサミットでもこうした問題にG7各国が結束して対応する姿勢を示したい考え。一方で、中国と経済的な結びつきの深い日本やドイツは難しい立場にある。日本としては、中国を表立って名指しすることは避けながら、特定の国や地域に依存しないサプライチェーンの構築や、禁輸などで相手国に圧力をかける経済的威圧に対抗する取り組みの具体化を主導し、存在感を発揮していきたいとしている。生成AIを巡っては著作権の侵害や偽情報が拡散するリスクが指摘されているが、イノベーションを重視し規制には慎重な米国と、厳しい規制も辞さないEUの間では隔たりがある。日本としてはこうした各国の立場の差を埋めて去年の広島サミットで合意した共通のルール作りの枠組みを、さらに推し進めたい考え。今回のサミットでは安全性に配慮して、AIの開発に取り組む組織を認定する新たな仕組みの創設を各国が目指していく方向でも最終的な調整が進められている。それぞれのテーマで各国の間に隔たりがある中、実効性を伴う形で協調できるかが焦点。(中継)イタリア・プーリア州。存在感を示せるか正念場にあるG7。このあと首脳宣言が採択される予定。プーチン大統領は、早速G7の新たなウクライナ支援策について、ロシアの資産を凍結し横領するためのもので盗みにほかならないと強く反発し、報復措置を取ると警告している。G7とロシア、中国などの攻防は、今後も続きそう。首脳たちの多くは外交に加え、内政にも課題を抱える、まさに内憂外患の状況に立たされている。岸田総理はスイスも訪れ、ウクライナの平和サミットに出席したあと帰国する。来週は政治資金規正法の審議、そして党首討論など、国会会期末の大きなヤマ場が待ち受けている。