「上海協力機構」の首脳会議の全体会合がカザフスタンで行われた。ベラルーシの加盟が正式決定。プーチン大統領は「公正な世界秩序の重要な柱だ」としていて、欧米への対抗軸と位置付けたい狙い。ただ加盟国にはそれぞれの思惑も見え隠れする。習近平国家主席は首脳会議に先立って現地入りし、カザフスタンのトカエフ大統領の出迎えを受けた。習主席は新型コロナ流行語初の外遊先にもカザフスタン選び、重視する姿勢を示してきた。カザフスタンではこの数年で中国車の普及が進み、中国人観光客も急増。中央アジアへの取り込みを図りたい中国の思惑もうかがえる。一方、トカエフ大統領はウクライナ侵攻後、ロシアと距離を置く姿勢を見せている。ロシア系住民の保護を口実の一つとして始まったウクライナ侵攻。カザフスタンではロシア系住民が全人口の2割弱に上り、ロシアの軍事介入への警戒感が一気に高まった。今年春に発表された調査では39%が「何らかの形でロシアの軍事介入がありうる」と答えている。