先月16日、ロシア・サハ共和国ネリュングリ、シベリアの極寒の地で暮らす家族の家を訪ねた。女性は14人の子どもを出産。食卓はいつもにぎやか。この日のメニューは鹿肉を使ったピラフ。2018年、「理想的な大家族」としてプーチン大統領から直接勲章を授与された。去年は10人以上の子どもを持つ女性を英雄としてたたえる「マザーヒロイン」の称号も与えられた。おととし旧ソ連時代のマザーヒロインの称号を復活させたプーチン大統領。「伝統的な大家族こそが国のあるべき姿だ」と訴え「産めよ増やせよ」の大号令をかけている。ロシアで進む深刻な少子化。2014年以降生まれる子どもの数は減少の一途をたどり、ウクライナ侵攻後大勢の若者が国を出たことも拍車をかけたとみられている。思想統制の動きも。先月、ロシアの国会である注目の法案を審議された。子どもを持たないチャイルドフリーの価値観を巡り、宣伝を禁止する法律が成立。出生数の回復を最重要課題と位置づけるプーチン大統領。妊娠中絶の規制を強める動きもみられるなど女性の権利に対する懸念も広がっている。