プーチン大統領は大統領選挙に向け、ウクライナへの軍事侵攻を”祖国防衛戦争”と強調している。紛争終結に向け、22年10月からシグナルを送っている一方、年末から大規模なミサイル、ドローンによる攻撃を繰り返し、疲弊したウクライナ国内に厭戦気分を広げることが目的と考えられる。軍需産業のフル稼働でロシア経済は好調とされるが、戦死者は増え、戦況がロシアに一方的に有利とはいえないという。ただ、ウクライナは23年に反転攻勢で挫折し、戦線は膠着状態。ザルジニー総司令官は「場合により、戦術的撤退もありうる」と話す。ゼレンスキー大統領にとって難しい決断を迫られる年になるかもしれない。先月、サウジアラビア・リヤドでG7、グローバルサウスの主な国の高官による非公式会議が開かれ、グローバルサウスの代表的な国々からはロシアとの停戦に応じるよう説得する発言が相次いだという。だが、ゼレンスキー大統領、プーチン大統領が応じるかは不透明。