中国・四国地方最大の人口約270万人を有する広島県、その広島を代表する企業と言えば自動車メーカーの「マツダ」。1920年創業の老舗企業が今、組織の内部から生まれ変わろうと必死でもがいている。広島市にあるマツダの教育センターでは、研修の真っ最中だった。参加しているのは皆マツダの従業員で、講師も従業員が務めている。最初に与えられたテーマは「風土とはなにか」、まずは1人で考える。次に隣の人と2人1組で意見を交わす。年齢や所属、役職もバラバラでほとんどが初対面。初めて会った者同士がマツダの「風土とはなにか」を共に考える。最後に自分の考えをボードに貼り付け、全員に披露する。これを様々なテーマごとに繰り返していく。この研修の目的は「企業風土改革」、2023年11月から始めている。5月には地元のサッカースタジアムを借りて、4000人に研修を実施、今では従業員のほぼ全員が研修を受けた。プロジェクトは5か年計画、まず目指すべき風土を研修によって導入する第1フェーズ、次に各職場で行動を起こし浸透させる第2フェーズ、最後に日常に定着させる第3フェーズ。現在は導入がほぼ終わり、浸透に向けて動き始めたところ。この企業風土改革は、マツダが社運を賭けたプロジェクト。マツダが企業風土改革に乗り出した理由は、自動車業界の100年に一度の大変革期を生き抜くため。