2025年9月5日放送 22:00 - 22:54 テレビ東京

ガイアの夜明け
【マツダ“企業風土”をつくる】

出演者
長谷川博己 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

マツダ“企業風土”をつくる
2万3000人が参加する大改革

中国・四国地方最大の人口約270万人を有する広島県、その広島を代表する企業と言えば自動車メーカーの「マツダ」。1920年創業の老舗企業が今、組織の内部から生まれ変わろうと必死でもがいている。広島市にあるマツダの教育センターでは、研修の真っ最中だった。参加しているのは皆マツダの従業員で、講師も従業員が務めている。最初に与えられたテーマは「風土とはなにか」、まずは1人で考える。次に隣の人と2人1組で意見を交わす。年齢や所属、役職もバラバラでほとんどが初対面。初めて会った者同士がマツダの「風土とはなにか」を共に考える。最後に自分の考えをボードに貼り付け、全員に披露する。これを様々なテーマごとに繰り返していく。この研修の目的は「企業風土改革」、2023年11月から始めている。5月には地元のサッカースタジアムを借りて、4000人に研修を実施、今では従業員のほぼ全員が研修を受けた。プロジェクトは5か年計画、まず目指すべき風土を研修によって導入する第1フェーズ、次に各職場で行動を起こし浸透させる第2フェーズ、最後に日常に定着させる第3フェーズ。現在は導入がほぼ終わり、浸透に向けて動き始めたところ。この企業風土改革は、マツダが社運を賭けたプロジェクト。マツダが企業風土改革に乗り出した理由は、自動車業界の100年に一度の大変革期を生き抜くため。

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相次ぐ不祥事…その原因は?

数々の不正行為が発覚した、中古車販売大手・ビッグモーターの釈明会見。原因として語られたのは「経営陣に盲従し忖度する、いびつな企業風土」。不正請求による行政処分を受けた損保ジャパンは「自社の利益を優先する企業風土」。フジテレビジョンでも「企業風土」の刷新を宣言していた。不正や不祥事が起こるたびに、その原因として指摘される「企業風土」とは。

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激動の自動車業界 生き残りへ!

企業風土の改革に乗り出したマツダ。従業員数約2万3000人、売上高は5兆円にのぼる。原爆で壊滅的被害を受けた広島市、爆心地から5kmほど離れていた工場の損壊は限定的で、終戦の4か月後にマツダは三輪トラックの生産を再開する。広島の復興を支え、技術力を磨き上げてきた。逆境の中でもこだわった”ものづくり”、マツダならではの車を生み出していく。そして迎えた100年に一度の大変革期、生き残りを賭け企業風土改革に乗り出す。しかし、その最中に自動車メーカー各社で不正行為が判明した。マツダも不適切な方法でエアバッグの衝突試験を行ったことなどが発覚した。

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不正や不祥事と、企業風土の関係について専門家は。不正・不祥事に関連するものは3つあり、1つ目は「上意下達の文化」2つ目は「心理的安全性の欠如」3つ目は「同調圧力」だと言う。マツダが全社を上げて取り組む企業風土改革プロジェクト、その名は「BLUEPRINT」。オランダの企業が開発したプログラムを導入した。「BLUEPRINT」を広める研修の場に、Tシャツとジーンズのラフな姿で周りをフラフラしていた、塩見洋さん。人事本部に所属する塩見さんは、BLUEPRINTを推進するためのアンバサダー。マツダが進める企業風土改革の司令塔。塩見さんは故郷である岡山の大学を卒業後、1997年にマツダに入社。中国・長安での合弁会社の立ち上げや、ロシア・ウラジオストクでの工場建設に携わってきた。BLUEPRINTアンバサダーの前は、経営企画本部の本部長だった。企業風土改革に関わるようになったのは、CFOからの要請があったから。向かった先はオランダにある企業風土の改善をサポートする会社、マツダの本気度は高く派遣されたのは塩見さんを含め14人。1か月かけてプログラムを学んだ。

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CFOのジェフリー・エイチ・ガイトンさん、マツダのヨーロッパとアメリカの社長を務め塩見さんをオランダに派遣した張本人。今では塩見さんの良き相談相手。ガイトンさんはなぜ塩見さんを改革の司令塔に選んだのか、注目したのは日々の仕事ぶりだけでなく同僚との向き合い方だと言う。

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BLUEPRINTによって社内に変化が起き始めている。国内のブランディングを担当する河野薫さん、以前は車を全面に押し出しデザインや価格をアピールする広告がほとんどだったが、企業風土改革の影響で客の目線に立ったブランディングに一層力を入れるようになった。東京・板橋区にあるマツダの直営販売店、河野さんは現場の声を聞くためこれまで以上に販売店に足を運ぶようになった。BLUEPRINTによって、一層お客さんの考えを意識するようになったと言う。

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一方、横浜にあるマツダの研究開発施設。各部署から60人以上の研究者が集まり、次世代の車に必要とされる技術を研究している。電気自動車に使われるモーターのベアリングを研究しているのが、堀端頌子さん。内側にこもるタイプだったが、人とのコミュニケーションに意欲が出たのはBLUEPRINTのおかげだと話す。上席研究員の佐藤圭峰さんは、企業風土改革によってマツダをもっとオープンな企業にしたいと考えるようになっていた。この日、佐藤さんや堀端さんが研究所の仲間たちと訪れたのは「ヨコハマハードテックハブ」、三菱重工が運営する施設。他の会社からも学びたいという思いを実行に移した。佐藤さんたち研究者も外に向かっての一歩を踏み出した。

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改革を成功に導く”切り札”

7月上旬、塩見さんはBLUEPRINTを次の段階に進めるために精力的に動いていた。この日集めたのは、ナビゲーターの候補生たち。塩見さんは第2フェーズを成功させるカギは、ナビゲーターにあると考えている。重要な役割を担うからこそ、塩見さんの講義にも力が入る。就業時間が終わった夏の宵、マツダ本社近くの居酒屋でこの日塩見さんはナビゲーターを集めて暑気払いを行った。

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改革に黄信号?越えるべき壁は

マツダの生き残りをかけた、企業風土改革「BLUEPRINT」。この日は旗振り役のナビゲーターが集まっての暑気払い。日頃、それぞれの職場で改革に取り組んでいる面々。酒が進むに連れ出てくるのはナビゲーターが抱える悩み。塩見さんは、新たな企業風土を作るには幹部が変わることが必要だという思いを強くした。ナビゲーターたちの思いを受け取った塩見さんが早速行動に移す、マツダにいる本部長や部長など約300人にアンケートを実施した。そこで見えてきたのは、彼らの上司に当たる役員への不満だった。役員の意識改革が迫られていた。

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塩見さんが向かったのは、マツダの発展を見守り続けてきた神社。会社に入って間もない頃、よく来ていたという。そして、見せてくれたのは一通の手紙。金融機関に務め7年前に亡くなった父・勝敏さんが、入社間もない息子に送ったもの。会社への不平不満が募る息子に対して、勝敏さんは覚えたてのワープロで思いを綴っていた。そこには、今の塩見さんを見越したような言葉が連なる。

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正念場!役員の意識は変わるのか?

7月下旬、本社の会議室に役員が集まってきた。いよいよ役員の意識を変えるための働きかけが始まる。この日は、オンラインを含めて23人の役員が参加した。毛籠社長とガイトンさん以外、マツダの全役員が揃った。集めた声を参加者全員に伝えるため、塩見さんが取った方法は誰の部下の意見かは伏せたまま、その不満をランダムに役員に読み上げてもらった。そして、今日の本題に入る「役員同士で何ができるか、何ができていないか」考えるということ。ここでもランダムにグループを作り、ディスカッションをしてもらう。CIOと専務執行役員などのグループでは、議論の流れで「役員は全社的視点で話すべきか」という話題になった。常務執行役員の3人がいるグループで話し合われていたのは、部門によって「情報の伝わり方が違う」ことについて。あっという間に90分が過ぎていた。役員の意識改革は今後も継続していく。

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他企業とタッグ!その狙いは?

8月上旬、東京・六本木に上京してきた塩見さんの姿があった。向かった先は六本木ヒルズ。その一室では、自動車メーカーを始め10社から19人が集まっていた。今年の春に他の企業を対象にしたBLUEPRINTの講義を行っていた塩見さん。その時のメンバーが再び集まることになった。皆それぞれの企業で風土改革に取り組んでいる。今回のテーマは、「反対意見を言う人への対応」。話し合いは4時間にも及んだ。

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逆風のトランプ関税…どう戦う?

日本の各企業が必死で未来を模索する中、逆風となる出来事が。原因は”トランプ大統領”。

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ドナルド・ジョン・トランプ
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逆風のトランプ関税…どう戦う?

マツダの企業風土改革が進む中、逆風となる出来事が”トランプ関税”。アメリカが世界販売の1/3を占めるマツダにとっては、大打撃だった。マツダの4月~6月期の決算説明会では、トランプ関税が重荷となり最終損益は421億円の赤字となった。

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道半ばの改革… 会社の未来は?

自動車メーカー・マツダの決算説明会、4月~6月期の連結決算では最終損益が421億円の赤字となった。一方、通期の予想では黒字確保の見通しを発表。決算説明会を見ていた塩見さんは、極めて高いターゲットだが焦点を絞った。BLUEPRINTでの話し合いがあったからこそ、この改善策が出たと感じられる。風土がいい影響を与えていると感じたと話した。

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