2025年8月22日放送 22:00 - 22:54 テレビ東京

ガイアの夜明け
【子どもの食卓を守りたい】

出演者
長谷川博己 
子どもの食卓を守りたい
子どもの食卓を守りたい

子どもの食卓を守りたい、進み始めた未来への取り組み。私達に出来ることとは、挑戦の物語がそこにあった。

(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

子どもの食卓を守りたい
”9人に1人が貧困”の現実

子どもたちの未来を憂いて、見回りを続ける女性がいる。関口いづみさんは、貧困家庭を支援する団体のスタッフ、訪ねたのは埼玉県内のアパート。中に入ると、荒れ放題の台所に明かりの付かないリビング。この家の住人・愛さんは中学1年生、関口さんは2年間サポートを続けてきた。関口さんは県から委託されて、月に10回以上貧困家庭を訪問している。母の俊子さんは10年前に離婚し、以前は医療関係で働いていたが精神疾患と糖尿病を理由に退職、外出も困難になり生活保護を受けている。母親は食事を作ることも出来ず、冷蔵庫の食材はほとんどが賞味期限切れ。見兼ねた関口さんたちが急遽買って来たのはスーパーのお弁当。この家には食卓もなく、膝の上で食事をする。家族の会話もそこにはない。子どもに大切な”温かい食卓”が減り続けている日本。子どもの貧困率、日本は先進国の中で19番目に高い11.5%。9人に1人は満足な食事を取れていない。

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こども家庭庁埼玉県経済協力開発機構
物価高…子ども食堂に危機

千葉市内に月一回、住民たちが押し寄せる人気スポットがある。親子連れの行列はいつもの光景、お目当ては無料のお弁当。ここは、TSUGAnoわこども食堂。中で食べるだけでなく、持ち帰りも出来ることから人気になった。子ども食堂の数は、現在では全国に1万カ所以上。子どもの貧困対策として始まり、最近では重要なコミニティの場にもなりつつある。急拡大した背景について専門家は、地域交流の衰退が最大の要因、それを自分たちで取り戻そうという動きだと話す。TSUGAnoわこども食堂、代表の田中照美さん。社会福祉士という本業の傍らボランティアで食堂を切り盛りしている。栄養満点で豊富な品数のお弁当を作るが、最近は物価高の影響が痛手になっているという。食堂を開くのは月に1度、1回150食で食材費は約10万円。地元企業の寄付金が主な財源だが、物価高でギリギリのやりくりが続いている。物価高の影響は、お弁当の箱にも出ているという。それでも食堂を続けるのは、自身の経験から。運営を手伝うのも近所の子どもたち、元々この食堂を利用していていつしか手伝ってくれるようになった。

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TSUGAnoわこども食堂全国こども食堂支援センター・むすびえ千葉市(千葉県)

千葉市内の子ども食堂が利用する食材の集積場、この日はすいか70個が届いた。知り合いの企業が寄付してくれた。働き手も食材も、人の輪が活動の支え。しかし、こうした無償の善意も今限界を迎えつつある。物価高を受けて政府はどう動くのか、三原じゅん子大臣を直撃した。

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千葉市(千葉県)
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ガイアの夜明けはTVerで配信。

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TVer
物価高…こども食堂に危機

子どもに関する政策を一元的に行うため一昨年誕生した「こども家庭庁」。三原じゅん子こども政策担当大臣に、こども食堂について聞くと。現状、物価高で厳しい状況なことは把握している、その上で必要な予算を確保することに全力で努めていると話した。しかし、自治体や事業団体を通じて公布される補助金は、精度の認知度が低く申請手続きが複雑なため、必要とする拠点に行き渡っていないという課題もある。

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こども家庭庁
食品が足りない!72歳が奮闘

子ども食堂の苦しい懐に市政の人々も動き出している。集合住宅の1階にある倉庫から運び出されていたのは、お菓子やお茶など車の荷台は食品でいっぱいになった。受け取りに来ていたのは八王子市内にある子ども食堂のスタッフ。ここは食品を無料で提供しているNPO法人「フードバンクTAMA」。スタッフは12人、寄付金に加え国から補助金を貰って運営している。創設者で理事の芝田晴一朗さん72歳。全国に300カ所近くあるフードバンク、賞味期限が迫った食品を企業や個人から寄付してもらい、貧困家庭や子ども食堂に無料で配布している。難しいのは食品の保管場所をいかに確保するか、案内されたのは日野市の中央福祉センター。この建物の一室を倉庫として無償で使わせて貰っている。そこには、政府から放出された備蓄米が、全国のフードバンクにも無償で提供されるようになった。受け取る量は前年度の実績で決まり、フードバンクTAMAには半年間で20トン入荷予定。

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フードバンクTAMA中央福祉センター八王子市(東京)日野市(東京)農林水産省

定年退職後63歳で立ち上げたフードバンク、子どもたちの未来のためにまだ自分は働けると、その一念で走り続けてきた。最初は苦労の連続だったが、その後フードロス対策が徐々に社会課題となり、芝田さんの活動も5年程前から軌道に乗った。しかし、昨今の物価高であらゆる食品価格が上昇、そのため一昨年から去年にかけて食品をもらう量・渡す量が共に約5割減少した。

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フードバンクTAMA
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U-NEXTテレ東BIZ
食品が足りない!72歳が奮闘

子ども食堂などを支援しているフードバンクTAMA、理事の芝田さんがやってきたのは知り合いが運営するコインランドリーの整備工場。芝田さんは都の補助金を使って、大型の業務用冷凍庫を購入しこの工場の敷地に置かせてもらうことにした。冷凍食品を乗せたトラックがやって来た、届いたのは賞味期限が近づいている鶏の胸肉やサラダチキン、子どもの成長に欠かせないたんぱく質がこれで賄える。この保管場所は芝田さんの活動に賛同する工場の社長が無償で貸してくれた。

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ファミリーレンタリースフードバンクTAMA八王子市(東京)

さらなる協力者の掘り起こしも続けている。この日は、八王子市にある食品会社へ。ここアーバンは、八王子市を中心に外食事業や給食事業などを幅広く展開している。タイミングが合えば協力出来るとのこと。芝田さんはこうやって仲間を増やしてきた。1週間後、芝田さんのもとに届いたのは冷凍のお団子、あのアーバンからだった。八王子市にある高尾山の店で人気の商品、子ども食堂の開催に合わせてわざわざ送ってくれたのだった。翌日、八王子市内の子ども食堂「ふくろうはうす」に来た芝田さんの手にはあのお団子があった。午後3時、1学期の終業式を終えた子どもたちがやってきた。

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こども食堂ふくろうはうすアーバンアーバン オフィシャルホームページ八王子市(東京)高尾山
ATMの奥の”秘密基地”

子どもの食卓を守るためにメガバンクも動いていた。商業施設の一角にあるATMコーナーの奥には、銀行とは縁遠い光景が広がっていた。壁には本がズラリと並びその数は4000冊を越え、小学生が勉強をしたり漫画を読んだり。リラックス出来るこの場所は、今年4月にオープンしたばかりの子どもたちの学びや体験を支援する施設「アトリエ・バンライ ITABASHI」。対象は近隣の4つの小学校に通う高学年、利用料は無料。既に300人の児童が登録している。運営するのは三井住友フィナンシャルグループ。大萱亮子さんは社会貢献を担当する部署に所属しこの施設の責任者。三井住友フィナンシャルグループは一昨年、社会的価値の創造を経営の中核に据えると発表した。項目には貧困・格差の解消も盛り込まれている。そこで貧困を予防する観点で、様々な教育の機会を提供する施設を作った。子どもの食にも重きを置いていて、施設の2階に行くと子ども食堂が開かれていた。銀行時代、社員食堂だった場所を改装し子ども食堂に無償で貸し出している。厨房は本格的、調理器具や食器も揃っている。子ども食堂の運営団体は食材を用意し、調理するだけ。

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アトリエ・バンライITABASHI三井住友フィナンシャルグループ三井住友フィナンシャルグループ オフィシャルホームページ板橋区(東京)

この食堂を活用して、企業や団体とタッグを組み体験プログラムも開催している。この日はKAGOMEの食育教室。施設の外で子どもたちが3カ月かけて育てたミニトマトを収穫する。自由な発想で調理をして、その味を確かめる。都会に住む子どもには貴重な体験。現在22の企業・団体が持ち回りで行っているこれらの体験プログラム、多くの取引先を持つ金融グループの強みが生かされている。大萱さんは1児の母、住友銀行に入行し法人営業などを担当した、8年前から社会貢献の部署になった。「アトリエ・バンライ」を企画し、去年6月から開設に向けて奔走してきた。7月中旬、「アトリエ・バンライ」を訪ねてきた女性の一行は、ハウス食品の社員。新たな食育プログラムの提供に名乗りを上げた。提案されたのは来年で発売50年のロングセラー商品「フルーチェ」を使ったプログラム。この案に大萱さんは、単に作って食べるだけではなく、食育に繋がるもうひと工夫がほしいと注文した。プログラムの内容を社内で練り直してもらうことに。そして3週間後本番当日、子どもたちがやってきた。

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カゴメハウス食品フルーチェミニトマト

三井住友フィナンシャルグループがハウス食品と組んだ食育プログラム。まずは牛乳でフルーチェを作る。続いて取り出したのは豆乳、ここが工夫のポイントで牛乳以外でも固まるのかという実験を新たに加えた。子どもたちも興味津々、そこには食卓ならではの美味しくて楽しい学びがあった。大萱さんも満足そうだった。

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ハウス食品フルーチェ三井住友フィナンシャルグループ
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

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