去年8月、アメリカの科学雑誌が、アメリカ人の原子爆弾に対する意識調査の結果を公開した。原子爆弾を使用すべきでなかったという人は、36.7%で、以前に比べ増加している。ロサンゼルス支局長によると、時の流れはあるものの、アメリカ人の原爆投下を支持する傾向は変わりないという。籔内は、日米間の戦争に対する考え方のギャップを乗り越えようとする試みもあり、1995年には、ワシントンのスミソニアン博物館で、原爆展が企画された、当時は退役軍人などの反対で事実上の中止に追い込まれ、日米双方で論争が起こったなどと話した。ことし4月には、戦艦ミズーリを旧日本軍が特攻した史実を後世に伝える式典がハワイで行われた。ロサンゼルス支局長は、さまざまな取り組みが行われていることは評価されるべき、日米双方が戦争をどう記憶し、教訓を学んでいくかは、こうした原爆・戦争にまつわる交流の積み重ねにかかっているなどと話したという。籔内は、核兵器禁止条約も当初は、市民レベルで核兵器の非人道性に注目する動きが高まり、賛同する国を募って条約が成立・発効した、市民レベルの交流から平和を求めるうねりが起こることはあるなどと話した。アメリカのトランプ大統領は、ダボス会議で、非核化という言葉を使って、ロシアや中国とともに、核兵器を削減することに意欲を示した。日本被団協代表理事は、この発言について、経済のことを第一に考えての発言だと思うが、発言自体は歓迎したいなどとしている。フランスのマクロン大統領は、フランスが保有する核兵器の抑止力をヨーロッパに広げることを検討する考えを示している。長崎の浦上天主堂の鐘が復元されることについて、籔内は、かつて敵国だったアメリカの人々の志で、長崎の象徴とも言える鐘がつくられた、不安定さの増す国際情勢のなかで、平和に向けた強いメッセージになるのではないかなどと話した。復元された鐘は、原爆が投下された8月9日午前11時2分に初めて鳴らされるという。