ニューヨークにあるイスラム教の礼拝所「モスク」。この日は100人を超える信者が集まった。彼らは今、ニューヨークで急速に増えているアフリカ諸国からの移民。アメリカ南西部の国境で当局に拘束された人は今年9月までの1年間で過去最高の247万人。アジア・アフリカの出身者は前年の3倍に増加している。ニューヨークには移民の受け入れセンターがあるため、入国を果たした人たちの多くはそこを目指す。移民らはここで仮住まいとなるシェルターの手配などを申請する。ニューヨークは人道上の配慮から、ここ1年半ほどで14万人以上を受け入れてきた。しかし、ニューヨーク市長が自ら「移民をこれ以上受け入れられない」と表明した。ニューヨークの郊外では地元の住人が移民らに対して抗議活動を行っている。ニューヨーク市は今年6月までに2100億円以上を費やし、市内の公園や病院、老人ホームなど200カ所以上に移民のシェルターを設置した。移民対策の費用を捻出するため、警察や消防などの予算を削減したという。バイデン大統領は就任当初、移民に寛容な姿勢を示していたが、移民政策に関する支持率が低下し、国境の壁の建設再開を認めるなど政策の転換を迫られている。