パレスチナ・ガザ地区で戦闘が始まって2年以上となるが、イスラエルでは「超正統派のユダヤ教徒が徴兵されるべきか」を巡る論争が国を分裂させるおそれが出ている。超正統派のユダヤ教徒は20年近く前から兵役を免除されていたが、去年裁判所が徴兵を命じた。しかしこれ以降も徴兵対象となる超正統派の男性のうち入隊したのはほんの僅か。超正統派は「ブラックアラート」という新しいメッセージシステムを作り、大勢の仲間を集めて徴兵に応じない超正統派を逮捕しに来る警察を妨害する。徴兵を命じる法案はそれほど簡単に阻止できないとみられる。10月にはエルサレムで数万人規模の超正統派が抗議行進を繰り広げた。超正統派の多くが「ネタニヤフ首相が自分たちの味方」と考えている。超正統派の政党は首相と連立を組んでいる。超正統派を徴兵から守ることが首相を支持する条件。しかし2年間の戦闘で国が疲弊する中、首相は超正統派の要求と国民や裁判所の要求の板挟みとなっている。超正統派は「ユダヤ教の教を学ぶことで一切の軍事的な成功に貢献している」と考えている。そうなると約6万人が兵役を免除されることとなる。しかも超正統派の人口は急速に増加中。初めて海外のメディアのインタビューに応じた宗教学校の指導者はイスラエルの変化を認めている。人数は少ないものの、超正統派の中でも兵役につくことを希望する人もいる。プロモーションビデオも作られたが、去年3月の命令で新たに徴兵された超正統派の大半は任務についていない。イスラエルでは不満の声が高まっている。国民の大半が「超正統派も兵役につくべき」と考えている。徴兵を命じる法案は「超正統派に譲歩しすぎている」として、すでに批判されている。ネタニヤフ首相は「2つのイスラエル」の板挟みとなっている。
