エーザイがアメリカのバイオジェンと共同で開発したアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」は、ことし9月に国の承認を受け、保険適用に向けた議論が中医協で進められてきた。中医協はきょうの総会で、価格を患者1人あたり年間約298万円と設定し、保険適用対象とすることを決定した。今月20日から適用される予定だ。年間で、最大約3万2000人の使用が見込まれるという。レカネマブが使えるのは、アルツハイマー病の患者で、脳に「アミロイドβ」というタンパク質がたまっていることが確認できた人に限られる。投与対象は、軽度認知障害と軽度の認知症の人に限られ、専門医によると、患者全体の1割未満とみられるという。副作用は、約10人に1人の割合で、脳がむくんだ状態になったり、脳内でわずかな出血があったりする。中には、脳出血が起きた人もいて、注意が必要だという。レカネマブは、点滴で投与する薬で、患者は2週間に1度、原則1年半の間、点滴を受ける。脳の画像診断などの検査ができる医療機関で行われることになっていて、対応できる医療機関は限られるという。