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「オディシャ州(インド)」 のテレビ露出情報

インド中部・マディヤプラデシュ州に先月、落雷で犠牲になった家族を訪ねた。マンピャレ・クシュワハさんは農作業をしていて雨が激しくなり、近くの木に雨宿りをしていたとき雷に打たれ、妻のマンクワルさんと娘のカルナさんが亡くなった。マンクワルさんが身につけていたものは雷に打たれてやけて壊れてしまった。母親を失った息子のドゥルゲシュさんは今も深い悲しみの中にいる。マンピャレさんは落雷のおそれがあるときに木の下で雨宿りをすることの危険性を誰も教えてくれなかったという。インドでは落雷で亡くなる人が毎年2000人以上にのぼっているという報告もある。インド政府などは落雷の危険性を啓発するための動画を製作したりアプリを通じた地域別の雷情報を提供したりして死亡者を減らすよう取り組んでいる。しかし専門家はとりわけ農村部で啓発活動が十分でないことなどから犠牲者が後を絶たないと指摘している。雷被害をなくしたいという思いを抱いて落雷の多発地帯のひとつとなっている東部・オディシャ州で啓発活動を続けている人達がいる。ビジィア・クマール・バタさんは地元の学校で教師をしている。25年前、地元を襲ったサイクロンで多くの死者が出た災害を経験し、防災活動に取り組むようになった。教え子などとともに作るボランティアチームを率いて州内の村々をまわっている。この日は川沿いの貧しい集落で啓発活動を行った。ビジィアさんが訴えるのは落雷のおそれがあるときはまずは安全な場所に避難するということ。頑丈な建物に避難するよう呼びかけた。また、雨が降ってきたときに木の下で雨宿りをすることは実はとても危険で、木に落ちた雷の電流が人に飛び移るリスクがあると説明する。そして周りに避難できる場所が何もないときには最後の手段として雷から身を守る低い姿勢を取るように促していた。しかし防災のメッセージもなかなか浸透しない。取材中も雷のおそれがある中でも野外で農作業や家畜の世話を続ける人たちの姿が目立った。現地は種まきの時期。生活の糧を得るため働くことを止められないという経済的な事情もあるのだ。それでもビジィアさんたちは農業に関わる人たちひとりひとりに会い根気強く訴える。命より大切なものはないということを。さらにビジィアさんが力を入れているのが学校での防災教育だ。この学校に通うのは多くが農家の子どもたち。ビジィアさんは「生徒たちに落雷への対応を教えれば両親や近所の人にもすぐに伝わる。生徒たちを通して住民全体の啓発につながる。」などと話す。ビジィアさんは政府や自治体にも住民の命を守るための対策を強化して欲しいと強く望んでいる。避難できる小屋の設置などさらに求めていくことにしている。

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