機能性表示食品制度ができる前は根拠や安全性についてほとんど情報がないサプリメントも少なくなかった。制度ができたことで根拠の提示が求められ、健康食品の品質が向上し業界全体の意識が高まったとの声もある。専門家が指摘する表示の問題は虚偽・誇大や優良誤認と、薬のように誤認させる表示という2つのパターン。大手ECサイトから40製品を選び、消費者庁で表示問題に取り組んでいた弁護士にみてもらったところ、40製品中11製品が景品表示法、うち2製品が薬機法でそれぞれ問題となる可能性があることがわかった。「身長が伸びるのを飛躍的にサポート」といった優良誤認表示や「腹部全ての脂肪を落とす」といったはみだし表示などが見られた。紅麹問題を受け、政府は事業者に健康被害の報告を義務づけるなどの方針を示し、機能性表示食品に限らずサプリメント形状の食品全般の規制のあり方についても今後の検討課題とされた。サプリメントの原料などを製造している静岡の工場では、原料から製品まで規格通りに製造すること、健康被害が報告されたときに製造工程を遡って原因究明ができる体制作りが求められていた。そのため製造工程を全自動システム化して5年分の記録を保管している。