秋田市のクマの出没状況についてどのような場所に出没し、目撃・情報が寄せられたかを集計。一番多かったのは道路、続いて住宅、車からの目撃などとなっている。他には住宅の敷地や学校、公演、庭などの場所での目撃も多くなっている。クマの生態に詳しい岩手大学の山内貴義准教授によると、クマが意図的に人の生活圏に侵入してきていることが今年の異常な状況を示す特徴、一線を越えているクマが増えているとしている。人がいる家に入りコメを食べる、日中に何度も倉庫を襲うなど以前は考えられなかった行動もみられる。ここ3年かの秋田県のクマ出没状況をみると、特に多かったおととしが1488件だが今年は5781件となっている。急増した理由はドングリなどクマの食べ物の不足だと考えられており、ブナの実は年によって豊作・凶作のサイクルがあり秋田は2023年度に大凶作、去年は波作、今年度の状況は大凶作だという。山内准教授は、今年は猛暑で夏に食べる桑の実なども不作でクマは春先からずっと空腹の状態だった、去年はエサが豊富だったため出産が多くなりクマ自体の数が増えたのではとしている。過去に人里で農作物などを食べる成功体験をしたクマが人里に出ることを学習してしまい人間を恐れないクマが増えている可能性もあるという。山内准教授は、人里にカキなどが残っている限り今月いっぱいまで同じレベルで出没するとみている。クマの冬眠のきっかけはエサがなくなることで、人里にエサがあると知った一部のクマは12月以降も徘徊する可能性があり、強い個体がいる森に戻らず農家の納屋などで冬眠するクマも出てくる可能性があるという。
