秋の米国大統領選挙に向けた動き。今週行われた民主党の全国党大会で演説したハリス副大統領。バイデン大統領の撤退表明で急きょ、党の大統領候補となったハリス副大統領。専門家は今回の民主党大会をどう見たのか。同志社大学・三牧聖子准教授は「(民主党大会、100点中何点?)非常に盛り上がったことは確かだが70点くらい。(訴えが)民主党の外を超えて届くかどうか」とコメント。今回の党大会には、今も人気が高いオバマ元大統領夫妻などが次々と登壇。彼らが口にしたのはトランプ前大統領への批判だった。反トランプでは一致しているものの、まだ一枚岩にはなりきれていないという。ハリス氏がみずからの生い立ちを通じ中間層の取り込みを図ろうとする中で、専門家が評価したのは人工妊娠中絶を巡る姿勢だった。人工妊娠中絶については、これまで憲法で認められていた権利とする判断を連邦最高裁が覆し、国を二分する論争となっている。この問題に取り組んできたハリス氏は、中絶の権利を守るべきだと強く訴えた。今後の課題は何か。国民の関心が高い経済や移民などの問題について、具体的な政策を打ち出していくことが求められていると指摘する。米国の大統領選挙は、無所属のロバート・ケネディ・ジュニア氏が選挙活動を中止し、トランプ氏への支持を表明した。トランプ氏はこうした動きを追い風に、ハリス氏は候補の資格を譲り受けただけの中身のない人間だと批判を強めるものとみられる。これに対してハリス氏の真価が問われるのはこれからとなる。