日本製鉄による米国の大手鉄鋼メーカーUSスチールの買収計画について。米国の大統領候補がそれぞれ否定的、もしくは認めない立場を示している。4日、バイデン大統領も正式に計画を阻止することを発表する準備を進めていると複数のメディアが報じた。買収が合意したのは去年12月。すぐに鉄鋼業界の労働組合が反発。USスチールの本社や生産拠点は東部ペンシルベニア州にある。製造業が盛んで労働組合の影響力が強く、直近2回の大統領選挙では大接戦となった。11月の大統領選挙を前に、両候補の労働組合などに寄り添う姿勢が今回の買収計画への立場にもつながっているとみられる。日本製鉄はこれまでも破格ともいえる条件をUSスチール側に示してきた。日本製鉄はきょう、「米国政府により法にのっとり、適正に審査されるものと強く信じている」とコメントを出した。USスチールの経営トップも米国の有力紙ウォールストリートジャーナルのインタビューに応じ、買収が成立しなかった場合にはペンシルベニア州の製鉄所を閉鎖し、本社も移転させる可能性があると言及した。