今年は戦後80年。ナチスドイツによるユダヤ人らの大量虐殺が行われたアウシュビッツ強制収容所。生存者が取材に応じ、ユダヤ人らが感じる新たな不安について語った。ハンガリーに住んでいたエヴァさんは11歳の時、迫害から逃れるため家族のもとを離れた。その後、ナチスに見つかり、アウシュビッツに連れていかれたという。ポーランドにあるアウシュビッツ強制収容所では解放から80年を迎えた27日、式典が行われた。生存者は「私たちは記憶にとどめるだけではなく、憎しみがさらに憎しみを生み、殺人がさらなる殺人を生むということを警告し教える義務があります」とコメント。イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの報復攻撃で多くの人が犠牲になった。今はドイツに住み自身の経験を伝える活動をしているエヴァさんはガザでの戦闘開始を機にユダヤ人というだけで再び怯えて暮らさなければならない日々が始まったという。実際にドイツではユダヤ教の施設に火炎瓶が投げ込まれる事件も起きている。今ドイツでは極右政党が台頭し人種差別や反ユダヤ主義への懸念が広がっていて、エヴァさんは「あのような歴史を繰り返してはいけない」と訴えている。