東京23区で廃棄される粗大ゴミの中で最も数が多いのは布団。約100万枚に上る。そんな中、寝具メーカーが不毛布団を再生させ繰り返し使えるようにする羽毛布団リフォームに力を入れ始めた。埼玉県本庄市に今年新しく寝具メーカーがつくった羽毛布団の再生工場。多い時には1日に800枚以上の布団が依頼者から送られてくる。依頼が急増したのは3年前のコロナ禍。費用はこの会社の場合、新しく買うよりも抑えられる。羽毛の再生利用を進める背景には原料不足の問題がある。布団に使われているのは水鳥を食肉に加工する際にとれる羽毛。その多くを中国と台湾からの輸入に頼っている。しかし食文化の変化で牛肉や豚肉が好まれ水鳥が以前よりも食べられなくなり羽毛の生産量が減少。かつて1万トン以上あった輸入量は30年間で約5分の1に大きく減った(財務省「貿易統計」を元に算出)。工場では年間5万枚をリフォームすることができる。布団の廃棄が減ることでCO2排出の削減も期待されている。