首相官邸前で演説した英国のスナク首相。近く議会下院を解散し、7月4日に総選挙を行うと発表した。総選挙は来年1月までに行われることになっていて、スナク首相がいつ議会の解散に踏み切るか注目されていた。英国では2010年以来保守党が14年間政権を担っているが、2020年にEUヨーロッパ連合を離脱したあとも多くの国民の生活実感は上向いていない。また、ジョンソン政権の際、新型コロナ対策の規制が続く中、首相官邸でパーティーが開かれるなど不祥事が相次いだほか、続くトラス政権は経済の混乱を招いたことなどから保守党政権への不満が高まっている。おととし就任したスナク首相は国民の信頼回復に向け、インフレ率の低下や不法移民対策の強化などに取り組んでいるが、今月の多くの世論調査で保守党の支持率は最大野党の労働党に20ポイント以上離されている。一方、労働党のスターマー党首は「総選挙は変革の機会だ」とコメント。英国で総選挙が行われるのは2019年以来で14年ぶりの政権交代となるかが最大の焦点。