今年3月、与正氏が「日本とのいかなる接触や交渉も無視して拒否する」と明言したにもかかわらず会談したとなれば、5年前の米朝首脳会談以降は米国との会話が実現しておらず、日本、韓国、米国の3か国の関係強化に外国的手掛かりを模索するなか日本と接触したと見られる。北朝鮮の「偵察総局」はスパイ活動も行う組織で金総書記の直轄とされ、首脳会談を見据えているとの可能性もある。拉致問題として北朝鮮は「解決した」との姿勢が実情。北朝鮮の落ち込んだ経済を立て直す狙いもあるとみられ、新型コロナで国境を約4年事実上閉鎖したことにより物資や食料の不足が深刻化していて、こうした状況を打破するため交渉に参加したものとみられる。韓国の報道についてはぐらかすなど政府は明確な否定はしていない。考えられる交渉ルートは複数あり、今回は正規ルートではないとの見方が多い。北朝鮮はロシアと近づきすぎて日本との対話が必要な状況ではないと指摘。なかなか明るい見通しは立っていないのが現状。