きょうの為替相場の見通しについて、植野大作がスタジオで解説。植野の予想レンジは、141.50円~143.50円。本日はキリスト復活祭の翌日のため、オセアニアと欧州の主要国が祝日。アメリカで発表される経済指標も注目度がイマイチのためトランプ関税に関して新たなニュースがなければ大きく上下しない予想。注目ポイントは「中国元の下値めど」。人民元の対ドル相場を確認。今月一時、オフショア市場で過去最安値を記録してる。主な背景は2つある。1つは中国金利の先安感。現在、中国では人口減と不動産不況で期待成長率が低迷する中でインフレ率が断続的にマイナスになっており、デフレ懸念が発生してる。先月の全人代で、掲げた5%の成長目標を達成すべく中国人民銀行は、金融緩和を進める方針を目指してるが、中国の30年金利は日本より低くなってる。中国人民銀行による利下げや試算購入などが昨今の元安の一因であるとのことは疑いようはない。2つ目の要因は米中関税バトルの激化観測。アメリカと中国が互いにかけた税率が145%と125%。両国が被る経済的打撃を比べると、中国の方が大きい。オフショア市場以前の記録が残ってる上海市場まで遡ると、かつてドルペック時代に1ドル8元台前半、ここまで元安が進めばトランプ関税による輸出競争力への打撃を緩和できるメリットはあると思う。中国政府が明確に元安を認めると、中国人マネーの元離れが加速する、最終的には中国政府が元安のメリット・デメリットを比較し、最適な水準を模索することになると思う。上海市場で発表される人民元の基準値を見ながら、判断していくしかない。