ウクライナ・キーウ郊外にある仮説住宅。大学の寮だった建物に東部から避難してきた人たち約100人が身を寄せている。炊事や掃除は共用、3年間不自由な生活に耐え忍んできた。停戦は家族の分断につながるのではないかとの不安の声もある。不安を抱く人は少なくない。ルハンシク州から避難してきたミロスラーヴァさんは祖父母とともに暮らしている。軍事侵攻から4か月後、故郷の街は陥落し、いまもロシア軍の支配下にある。各地を転々として2年前にここにたどり着いたミロスラーヴァさん。ロシアとのつながりが深かった東部出身者への風当たりは強かったという。軍事侵攻で家族は離散、ミロスラーヴァさんが特に気にかけるのは占領地に残る姉のこと。今も連絡がとれず状況は分かっていない。停戦と引き換えにロシアが故郷の占領を続けることになれば、姉と再会できないのではと恐れている。ロシアに勝利し、故郷を取り戻すことは今も多くの人のせつなる
願い。
一方で現実を受け止めざるを得ないと考えはじめた人がいる。1年前から仮設住宅に暮らすイリーナさん。イリーナさんには息子が残した子どもたちがいる。息子のデニースさんは妻と2人の娘を残し、2年前に故郷の近くで戦死した。父親を失って以来、塞ぎがちだという2人の娘。イリーナさんは故郷をあきらめ、 この子たちのために生きていくと言い聞かせている。
願い。
一方で現実を受け止めざるを得ないと考えはじめた人がいる。1年前から仮設住宅に暮らすイリーナさん。イリーナさんには息子が残した子どもたちがいる。息子のデニースさんは妻と2人の娘を残し、2年前に故郷の近くで戦死した。父親を失って以来、塞ぎがちだという2人の娘。イリーナさんは故郷をあきらめ、 この子たちのために生きていくと言い聞かせている。