ヨーロッパの企業の間では関税を振りかざすトランプ政権の方針による貿易戦争の可能性に懸念や不安が広がっている。アメリカのトランプ大統領が発表したメキシコからの輸入品への関税措置は、少なくとも1か月延期されることになった。メキシコの発表によれば、両国がそれで合意したという。メキシコ・シェインバウム大統領は「メキシコはアメリカとの国境に1万人の兵士を配置させる」と述べた。主にフェンタニルなどの麻薬のアメリカへの流入を防ぐためだとしている。一方、アメリカもメキシコ向けの武器の国際取引の阻止を義務づける考え。トランプ大統領はEUによるアメリカ製品の輸入が少なすぎるとしてEUに対しては追加関税をかけると脅している。自動車大手のフォルクスワーゲンはアメリカにメキシコとヨーロッパ経由で車を輸出している。現在、苦境に立っているフォルクスワーゲンに追加関税は痛手を与える。もしかしたら、EUはトランプ大統領の追加関税を回避できるかもしれないとフォルクスワーゲンからはまだ抑えた発言しか聞こえてこない。製薬業界にとってもアメリカは最も大事な販売市場。貿易戦争の可能性に不安が広がっておりビジネスに支障をきたしている。経済学者は「投資が減りグローバルな展開を目指す産業分野の研究開発にブレーキがかかるだろう」とコメント。経済専門家は、こうした方針は長期的に全員の繁栄を不安定にするとみている。ライプニッツ経済研究所の教授は「すべての当事者がよく考え負のスパイラルを引き起こさないようにするべき」などとコメント。