- 出演者
- 矢内雄一郎 大浜平太郎 パックン 片渕茜 平出真有 中原みなみ 門間一夫 棚瀬順哉
オープニング映像が流れた。
中国企業の決算速報など、世界経済とマーケットの動きをいち早くお伝えする。
7月31日のNY株式市場 株価の終値、セクター別騰落率、為替の値を伝えた。
7月31日のNY株式相場は好決算を発表したIT株が牽引し上昇して始まったものの、インフレや関税への懸念から下落して取り引きを終えた。前日に売上高などが予想を上回ったマイクロソフトは一時8%上昇した。取引時間中にエヌビディアに続き2社目となる時価総額4兆ドルに到達。メタも11%以上の大幅高。ただ、マーケットの勢いはその後失速。この日発表された物価指標や雇用コスト指数が予想を上回り、改めてインフレ再燃が意識された。また、トランプ政権がこの日、製薬大手17社に書簡を送り「薬価の引き下げを要求した」と明らかにしヘルスケア株が下落。翌日には関税発動も予定される中、企業業績への懸念も広がっている。また前日に銅製品への関税が発表されたことで、この日もニューヨーク先物価格は約22%下落した。
アメリカのトランプ政権は8月1日、各国・地域に対する新たな相互関税を発動する。これに先立ち、メキシコに対しては関税の引き上げを90日間延期することで合意。トランプ氏とメキシコのシェインバウム大統領がそれぞれ7月31日に明らかにしたもので、アメリカがメキシコに課している25%の関税率をさらに90日間維持する。関税率の変更には大統領令が必要とされるため、合意に至っていない国に対する新たな相互関税については、7月31日中にトランプ氏が大統領令に署名し発動する。
前の日にFRBが政策金利の据え置きを決定したことに対し、トランプ大統領は自身のSNSに「遅すぎるパウエルがまたやらかした」と投稿し、パウエル議長について「あまりに感情的で頭が悪く、判断も政治的に偏っていて、議長にふさわしくない」と強く非難した。トランプ氏はまた、FRB本部の改修費用が多額にのぼっていることについて改めて触れ「この負け犬のせいでアメリカは多大な損失を被っている」としてパウエル議長への圧力を強めている。
アメリカの6月のPCE(個人消費支出物価指数)は1年前と比較して2.6%上昇した。伸びは2か月連続で加速し市場予想も上回った。モノの価格が0.6%の上昇にとどまった一方、サービス価格は3.5%上昇した。変動が大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は2.8%とこちらも市場予想を上回った。
クレジットカード大手・マスターカードが発表した4-6月期の決算は1年前から増収・増益で調整後一株利益は市場予想を上回った。カードの利用金額を示す決済総額は世界総額で+9%、主力のアメリカでも+6%の力強い成長となった。決済総額は強豪のビザやアメリカン・エキスプレスも堅調に伸びており、景気の先行き不安が漂う中でも個人消費は依然として旺盛なことが示されている。
アマゾン・ドット・コムが先ほど発表した4-6月期決算は、売上高が+13.%、純利益が+33%の増収増益だった。クラウドサービス「AWS」の上昇率は17%、関税による減速が懸念されていたネット通販は11%とそれぞれ堅調で市場予想を上回った。ただ、7-9月期の営業利益見通しは155億ドル~205億ドルでレンジの下限が市場予想を下回った。
ここからは野村グループ・塩崎さんに話を伺う。普段は機関投資家向けにアメリカ株を広く見ている。31日の株式市場について野崎さんは「好調な決算や関税合意のニュースを後押しに上昇して取り引きを開始し、S&P500とナスダックは日中最高値を更新。先日のFOMCや本日のPCを受けて利下げ期待が遠のく中で利益確定売りに押される展開となり、小幅安で取引を終えた」と話した。6月のPCEのコア指数が前月から0.3%上昇、1年前からは2.8%上昇した。これについて塩崎さんは「前月比では市場予想と一致したが、過去分が上方修正された他、前年比では市場予想を上回った。関税による価格上昇圧力でインフレ減速は顕著には見られず、FRBは引き続きインフレリスクに対して慎重姿勢を保つことになりそう」と話した。労働市場では本日発表された新規失業保険申請者数が21万8,000人と予想を下回った。あすは7月の雇用統計が発表されるが、塩崎さんは「雇用者数は12万人の伸びに減速すると見ているが、労働市場の健全性を見るうえでは『どれほど減速するか』というより『失業率』に焦点が当てられる。野村グループでは失業率は4.2%と前月から小幅上昇するとみている」と話した。
金利・商品・欧州株式・株式先物の値を伝えた。
きょうのゲストは「みずほリサーチ&テクノロジーズ」の門間一夫さんと、為替などの見通しは「JPモルガン・チェース銀行」の棚瀬順哉さん。トランプ大統領のパウエル議長への非難について棚瀬さんは「言葉が強くて驚かされるんですが、これまでも非難して解任もあり得るのでは?という懸念が高まると否定するという流れが続いている。基本的にその流れは変わらないんじゃないかと思っている。ポイントは2つ。最初に解任を否定したのは4月22日だったが、当時は4月2日の相互関税発表を受けてマーケットのリスクセンチメントが大きく悪化する中、『パウエル議長を解任しない』とトランプ大統領が言ったことでマーケットのリスクセンチメント改善したということがあったので、市場を落ち着かせるという意味ではその方が得策という認識があるのではないかと思う。もう1つはトランプ政権が押し下げたいのは短期金利と言うより長期金利。その観点からするとパウエル議長を解任して無理やり利下げする、政策金利を引き下げるようなことがあるとアメリカの景気が底堅くインフレが高止まっている状態では長期金利はむしろ上昇してしまう可能性の方が高いので、そういう認識もあるのではないかと思う」とコメントした。
棚瀬さんのドル円予想レンジは150.00円~151.50円・注目ポイントは「ドル円の上昇は続くのか?」。アメリカ雇用統計発表を受けて上下どちらにも動きやすい展開を予想しているとのこと。これまでの円相場の動向を振り返り「ここ1週間くらいはドル高の中でドル円の上昇が目立っている」などと話した。円安の背景には年初の年高観測が実現せず円安になどと説明、また「ドル円の上昇は上値余地は限定的」などと話した。
10年国債の利回りを伝えた。
DZHフィナンシャルリサーチ・東野さんの日経平均予想レンジは40650円~40950円。注目ポイントは「日本株の上値のメドと8月相場」。「アメリカの半導体株が軒並み弱かったことで日経平均はきのう上げた分の反動安が予想される。小売やゲーム株の動向に注目している」などと話した。参院選と日経平均の動きにを説明、「過去の上昇局面と同様、それ以上の株高の可能性もある」などと話した。続いてTOPIXの動きを説明し「現在のNT倍率は14倍程度、水準が大きく変わらない場合、2倍返しは日経平均で48600円程度と考えている」などと話した。TOPIXの月次騰落率を説明、「年末にかけて水準を切り上げていく想定はできるのではないかとみている」などと話した。
日銀・植田総裁は一時的な要因をのぞいた貴重的な物価上昇率が目標の2%に届いていないとして、利上げのタイミングではないとしたが、貴重的な物価上昇率は今後目標に近づくとして、「見通し期間の後半には物価安定目標と整合的な水準で推移すると考えられる」と利上げに含みをもたせた。一方、コメなどの食料品の価格上昇を受け、2025年度の物価上昇率の見通しを前年度比2.2%から2.7%に引き上げた。トランプ関税に日米合意について、植田総裁は「大きな前進」と評価したが、経済や物価への影響を見極めたい考えを示した。
今年度の最低賃金について協議する厚生労働省の審議会は、きのう開いた5回目の会合で結論を出さず、次回以降に持ち越すことを決めた。労働者側は物価高のほか、春闘を通じた賃上げなどを理由に大幅な増額を訴えている。これに対し、経営者側は人件費の増加が重荷となる中小企業への配慮などから、緩やかな引き上げを主張している。次回会合はきょう11時から開く予定。