- 出演者
- 矢内雄一郎 大浜平太郎 片渕茜 平出真有 中原みなみ 安田光 小竹洋之 鈴木敏之
オープニング映像。
NY株式の値動きを伝えた。
FRBはFOMCを開き政策金利の据え置きを決めた。FRBの理事2人が利下げを主張し反対票を投じた。2人が反対したのは32年ぶり。次回9月の会合に向け利下げの再開は近いのか、そのヒントを示すかどうかも焦点となった。パウエル議長は記者会見でトランプ政権による関税のインフレへの影響を見極めるにはさらに時間をかけるという慎重な姿勢を崩さなかった。パウエル議長は「基本シナリオとしては関税による物価押し上げ効果は一時的との見方がある」と指摘したが「持続的なインフレにつながるリスクも見ながら時間をかけて見極めたい」としている。4-6月期GDP速報値は3%プラスと前期の-0.5%からプラスに転じて景気は底堅さを保っている。パウエル氏は「やや引き締め的な現在の政策が適切」と強調。一方で「利下げが遅れると雇用にダメージを与える可能性もある」とも指摘。次回FOMCまでには雇用統計と消費者物価指数だけでもそれぞれ2回ずつ公表される中、利下げの再開時期やペースについて慎重に検討する。FOMCとパウエル議長の記者会見を受けて金融市場が見込む9月会合での利下げの見通しは57.9%から45%に低下している。FRBは分裂、FOMCではボウマン副議長とウォラー理事が0.25%の利下げを主張。2人は第一次トランプ政権の時に理事に指名されている。ウォラー理事は「関税による物価への影響は一時的、雇用の伸びが減速する可能性がある」と警戒感も示した。クグラー理事は欠席し投票を見送っている。クグラー理事は来年1月に任期をむかえることから、その後任にトランプ政権が次の議長候補となる理事をあてるとの構想が取り沙汰されている。ブルームバーグ通信はクグラー理事の欠席は個人的理由と報じている。
利下げが見送られた。大和証券キャピタル・マーケッツアメリカの高橋諒至氏に話を聞く。高橋さんは「政策金利は5会合連続で据え置かれ、予想通りの結果。声明文では経済活動が堅調に拡大しているという文言と不透明感が緩和しつつあるという文言が削除された。FOMC参加者の中で景気に対する慎重な見方が広がっている。記者会見でパウエル議長は引き続き今後の政策はデータ次第と9月の利下げについて踏み込んだ発言は控えた。景気には慎重な一方、利下げには全く示唆しないという出方となり株式市場でやや失望売り。8月下旬にはジャクソンホール会議という経済シンポジウムがあり、パウエル議長が講演する。講演で利下げを示唆した後、9月のFOMCで利下げを開始するという見方も残っている。9月のFOMCまでにあと2回、CPIの発表があるが、6月のCPIではおもちゃや家電などで価格上昇がみられた。トランプ大統領が強烈に利下げを求めるなか、関税によるインフレが明確に顕在化してくればパウエル議長の金融政策は難しい舵取りを迫られる」などと述べた。
カナダ銀行は30日、政策金利を2.75%に据え置いた。現状維持は3会合連続。「世界的に貿易戦争が激化するリスクは軽減された」としつつもアメリカとカナダの貿易交渉がまだ妥結していないため、引き続き先行きの不確実性に警戒。関税の行方を見極めた上でインフレが抑制された場合は利下げ検討へ。
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- カナダ銀行
トランプ大統領は来月1日からインドに25%の関税を課すと自身のSNSに投稿。インドがロシアから武器やエネルギー製品を購入していることを批判するとともに関税に加え「ペナルティーを科す」としているが詳細は明らかになっていない。25%の関税率は近隣の新興国と比べ高く、インドの輸出競争力に打撃となりそうだ。
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トランプ大統領は30日、銅・関連製品に対し50%の関税を課す政策の布告に署名した。来月1日から発動するとしている。ただ精錬銅は対象から除外されていて、アメリカの製造業への影響は限定的になるとみられる。これを受け銅のニューヨーク先物価格が一時20%近く下落した。
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アメリカの雇用サービス会社「ADP」が発表した7月の民間雇用者数は前月から10万4000人の増加となり、市場予想を上回った。業種別ではレジャー・接客業と金融が大きく増加した一方、教育・医療が減少した。ADPのチーフエコノミストは「雇用者側は消費回復の傾向が続くと楽観的な見方を強めている」と指摘した。
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「マイクロソフト」が発表した4-6月期の決算は売上高が+18%、純利益が+23%の増収増益だった。「アジュール」を含むクラウドサービスの増収率は39%で、市場予想を大幅に上回った。一方、設備投資額は170億7900万ドルで、予想を下回った。史上ではAIの関連事業で投資期待効果が高まっていると受け止められ、株価は時間外取引で一時8%以上上昇した。
「フェイスブック」などを運用する「メタ」が先程発表した4-6月期の決算は1年前から増収増益で、一株利益とともに市場予想を上回った。主力の広告事業が予想を上回る21%の増収と好調だった。今後については7-9月期の売上見通しが市場予想を上回ったほか、2025年通期の設備投資額の下限を従来から引き上げている。決算を受け株価は時間外で一時10%近く上昇している。
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グローバルマーケットエコノミストで文教大学のさん、SMBC日興証券の安田光さんを紹介した。
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鈴木さんはFOMCの結果について「9月の利下げがあるかどうかが市場の関心でもある。明確には決めてないということになっているが、議長が記者会見で発言した内容は9月の利下げを可能性として残す方向に動いたとみている。いま経済は減速しているが雇用がいいといい続けている。2人の理事が反対したことは珍事で、1993年以来の出来事。本来FRB議長は自分の言う事を政策としてFOMCと委員会を通すために理事を結束させるが、それがなされなかった。クグラー理事がきょう欠席しているが、理由は明らかにされていないものの過去の慣例で言うと理事が辞める前の最後のFOMCは出ない。ひょっとしたら来年1月の任期の前にクグラー理事が辞めてしまうのではないか。そこに次の議長含みのトランプチルドレンとなる理事が送り込まれるのではないかという見方もできる。」などと話した。
各国の為替の値を確認した。
りそなホールディングス・井口さんはドル円予想レンジを148.50円~150.50円とし、「昨日はパウエルFRB議長のややタカ派な発言を受け、ドル買いが進み、ドル円は150円を伺う動きとなった。本日の日銀金融政策決定会合は現状維持とみられるが、展望レポートと植田総裁の会見で次の利上げに向けた地ならしがあるか注目。利上げに前進してる印象となれば、円高の反応が予想される」と話した。注目ポイントには「残る円安材料は国内政治リスク」と挙げ、「ドル円はトランプ大統領がパウエル議長のか委任を否定した4月22日以降緩やかなドル高円安傾向が続いている。一方でドルインデックスを見るとドルの反発局面は一時的にとどまり、再びドル安傾向となっているため、ドル円の上昇はドル高ではなく円安が主導していることがわかる。また、主要通貨の対米ドルでの騰落率を見ると、円以外の主要通貨は対米ドルで買われており、円が圧倒的な最弱通貨となっている。日米関税交渉の不調・国内政治の不安定化・日銀の追加利上げの後ずれ観測、ここまでは主にこの3つの材料を背景に円売りが進んだが、先週からやや変化が見られる。日米関税交渉については先週、関税率15%で合意に至った。韓国・カナダ・ブラジルなど日本よりも関税率が高い国も多くあり、米国への相対的な輸出競争力はある程度保たれるとみられる。政治の不安定化については参院選を通過し、一時的な円安は回避できた。ただ、石破首相の退陣論がくすぶっているため円安材料は継続しそう。利上げについて日銀は推奨政策等の不確実性を念頭に慎重なスタンスを継続してきたが、日米関税交渉の合意を受け、市場では年内の利上げ観測が再燃している。2年先・1か月ものの日米金利差とドル円を見ると、先行きの金利差は縮小が見込まれている。FRBは9月に利下げサイクル再開、日銀は10月の決定会合で次の利上げに踏み切ると予想している。目先は国内政治動向次第で短期的に150円を目指し円安が加速する動きがあるかもしれないが、政治が落ち着けば日米金利差の縮小を背景に徐々にドルの上値が重くなっていく展開を想定し、9月末で140円程度を予想している」と話した。
10年国債の動きを伝えた。
30日の世界の株価、株式先物の値を確認した。
安田さんは日経平均予想レンジを40,500~40,700円とし「昨日のニューヨーク市場ではFOMCで9月利下げが明言されなかったことでやや下落する場面も見られた。本日の東京市場でもこの流れを引き継ぐ形になると思うので、下落してのスタートとなりそう。一方で下げた場面ではそれなりの買いが入ってくると思うので、その後は底堅い展開を予想している」と話した。また、注目ポイントには「クオリティー・グロースの持続性とバリュー株の展望」と挙げ、「直近までの日本株のファクター動向を振り返ると、4月の相互関税ショック以降クオリティー・グロースファクターが6月末まで有効で、バリューファクターが冴えない動きとなっていた。これはROEや利益率の高い銘柄・増益率の高い銘柄がより買われた一方、PBRなどが低い銘柄が相対的に下落したことを意味する。しかし7月に入ってこのトレンドが反転するような動きがみられ、本格的なトレンド転換かどうかに注目が集まっている。私は9月末までにクオリティー・グロース物色が再開し、バリューへのシフトは10月以降に本格化すると考えている。7月に入ってからのバリュー株の巻き戻しは、トランプ大統領が追加の関税を示唆したことで米国のインフレに対する見通しが変化し、FRBの利下げに対する市場折込が変化したことが要因と思われる。一方で米国では一部、これを機に鈍化の兆しがみられることなどから、9月以降に利下げが再開されるという可能性は引き続き高いと考えている。各国の貿易交渉も進展したため、インフレ再燃リスクも小さくなった。再び利下げ折込の拡大から米金利の低下を想定できる状況に変わっていくのではないかと考える。クオリティー・グロースファクターは米金利と逆相関の関係にあるため、金利低下側面で再び注目されやすくなると考える。米国経済が本質的には強い可能性、また減税歳出法が可決したこともあり、利下げが景気刺激的に作用し、米国経済が次のサイクルに向かう可能性があると考えている」などと話した。
日銀は、日本とアメリカの関税交渉の合意が、経済や物価にどのような影響を与えるかを見極めたい考えで、今日開く金融政策決定会合で、政策金利を0.5%程度を維持する見通しだという。今月23日には、内田眞一副総裁が関税の合意を「大きな前進だ」と評価した一方で、経済や物価への影響をしっかり分析していきたいとしている。また、米などの食料品の価格上昇を受け、2025年度の物価上昇率の予測を、前年度比プラス2.2%から上方修正する見通しだという。
日産自動車の4-6月期決算は、最終赤字が1157億円で、4半期連続の赤字となった。売上高は2兆7069億円で、前年比から9.7%減少した。日米中などの主力市場で販売台数が落ち込み、トランプ政権による自動車への追加関税も収益悪化の要因となった。日産は、メキシコのシバック工場での車両生産を、2026年3月末までに終了するとしている。