安田さんは日経平均予想レンジを40,500~40,700円とし「昨日のニューヨーク市場ではFOMCで9月利下げが明言されなかったことでやや下落する場面も見られた。本日の東京市場でもこの流れを引き継ぐ形になると思うので、下落してのスタートとなりそう。一方で下げた場面ではそれなりの買いが入ってくると思うので、その後は底堅い展開を予想している」と話した。また、注目ポイントには「クオリティー・グロースの持続性とバリュー株の展望」と挙げ、「直近までの日本株のファクター動向を振り返ると、4月の相互関税ショック以降クオリティー・グロースファクターが6月末まで有効で、バリューファクターが冴えない動きとなっていた。これはROEや利益率の高い銘柄・増益率の高い銘柄がより買われた一方、PBRなどが低い銘柄が相対的に下落したことを意味する。しかし7月に入ってこのトレンドが反転するような動きがみられ、本格的なトレンド転換かどうかに注目が集まっている。私は9月末までにクオリティー・グロース物色が再開し、バリューへのシフトは10月以降に本格化すると考えている。7月に入ってからのバリュー株の巻き戻しは、トランプ大統領が追加の関税を示唆したことで米国のインフレに対する見通しが変化し、FRBの利下げに対する市場折込が変化したことが要因と思われる。一方で米国では一部、これを機に鈍化の兆しがみられることなどから、9月以降に利下げが再開されるという可能性は引き続き高いと考えている。各国の貿易交渉も進展したため、インフレ再燃リスクも小さくなった。再び利下げ折込の拡大から米金利の低下を想定できる状況に変わっていくのではないかと考える。クオリティー・グロースファクターは米金利と逆相関の関係にあるため、金利低下側面で再び注目されやすくなると考える。米国経済が本質的には強い可能性、また減税歳出法が可決したこともあり、利下げが景気刺激的に作用し、米国経済が次のサイクルに向かう可能性があると考えている」などと話した。