2025年6月19日放送 22:00 - 22:58 テレビ東京

ワールドビジネスサテライト
WBS

出演者
豊島晋作 竹崎由佳 嶺百花 市川眞一 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
USスチール買収完了 日本製鉄「世界一に復権する」

日本製鉄はトランプ大統領の承認を取り付け、USスチールを完全子会社化したと発表した。橋本英二会長は東京都千代田区で開かれた会見で、「アメリカ事業の拡大を通じて世界一に復権する」と今後の道筋を明かした。交渉に費やした時間は約1年半にも及んだ。会見では、交渉にあたった森高弘副会長を「超人的な粘り強さで頑張った」などと讃える場面もあった。約2兆円を投じUSスチールの株式100%を取得し、2028年までに約1兆6000億円を投資する計画。製鉄所の改修や新設などを進める方針で、鉄の生産から製品化までを一貫して手掛けるとしている。今回の合意の決め手となったのは、経営の重要事項に拒否権を発動することが出来る黄金株の発行。アメリカ政府の同意なしには社名の変更や本社の移転、投資削減、雇用の米国外移転はできない。またUSスチールの経営上の重要事項に対する拒否権と独立取締役1人の選任権を持つ。鉄鋼業は戦後の日本復興を支え、1970年に鉄の需要が急増したことで八幡製鉄と富士製鉄が合併し誕生したのが、その後の日本製鉄となる新日本製鉄だった。この年にはUSスチールを抜いて世界一の鉄鋼メーカーになり、日本経済の成長をリードしてきた。しかし新興国が急激な経済発展を遂げる中で中国メーカーが台頭し、2024年の粗鋼生産量ランキングでは1位と3位、5位は中国企業(世界鉄鋼協会より)。日本製鉄は4位となっていて、29位のUSスチールを完全子会社化してもなお世界3位の中国勢を追いかける構図に変わりはない。日鉄は今回の計画を通じて強みである自動車などに適した電磁鋼板の生産・拡充を決定し、USスチールを新たなパートナーに世界シェア拡大を目指す。

解説 日鉄アメリカ市場を手中に リスク上回る買収メリット

日本製鉄によるUSスチールの完全子会社化について、ピクテ・ジャパンの市川眞一シニア・フェローが解説。アメリカの鉄の需要は世界で見るとそれほど大きな市場ではないが、自動車用の鉄などの高付加価値品については非常に有望な市場。USスチールはアメリカ市場に基盤を置いているが、技術力と資本力に欠けている面があった。日本製鉄には技術力と資金力があるが日本の市場は縮小均衡に向かっているため、両者のパートナーシップにはシナジーが大きい。黄金株については政治状況によっては何らかのリスクになる可能性はあるが、合理的な統合であるならばリスクを犯しても前に進む必要があったのではないか。世界一への復権については第一歩を踏み出したことには間違いなく、難しい交渉を乗り越えた日本製鉄の粘り腰に期待したい。

トランプ大統領 米軍によるイラン攻撃“承認”

17日にトランプ大統領がイランへの攻撃を検討しているとの報道が伝わると、アメリカでは各地でイスラエルとイランの交戦などに対する抗議デモがおきた。アメリカメディアによるとトランプ氏はイランへの攻撃計画を条件付きで承認したものの、最終決定は保留したという。イランの最高指導者・ハメネイ師は「イランは決して降伏する国ではない」と述べ、徹底抗戦の姿勢を示している。イスラエル軍はイランの首都・テヘランにある核関連施設やミサイル製造施設など20カ所を空爆。イランも報復を続けていて、イスラエル南部の病院が攻撃を受けたと地元メディアが伝えた。交戦が激しさを増す中、日本政府はイスラエルとイランに滞在する日本人の隣国への退避を開始した。イランのアラグチ外相はイギリスやフランス、ドイツの外相と核問題をめぐる協議を開催する予定で、アメリカもこの協議に合意しているという。

7月は値下がり 米中対立・中東混乱…電気料金は?

梅雨とは思えない暑さが続く中、東京・銀座の気温計は34℃を表示していた。気象庁によると全国56地点で35℃以上の猛暑日を観測し、30℃以上の真夏日は598地点で記録した。都内の家電量販店ではエアコン売り場に多くの人がいたが、客の関心はやはり電気代。7月の電気料金は東京電力管内の標準家庭で6月使用分より約600円下がる見通しで、東電以外の大手9社でも値下がりするとみられる。政府は家庭負担を軽減するため、7月からの3カ月間電気料金に補助金を出す。また火力発電の燃料として使われるLNG(液化天然ガス)の価格が下落している。その背景について、エネルギー経済社会研究所の松尾豪代表は「米中摩擦で、世界最大のLNGの買い手である中国が春から買い控えている」などと話した。これまで中国はアメリカから多くのLNGを輸入していたが、報復関税によって取引が減少しLNG価格の減少につながったという、こうした中、国内最大の発電会社JERAはアメリカ企業から年間最大約550トンのLNGを調達すると発表した。この契約を後押ししたのはトランプ大統領の政策で、貿易赤字解消の一手としてLNGの輸出に力を入れている。また不透明な世界情勢も大きな理由の一つで、JERAの可児行夫グローバルCEOは「ウクライナ、中東情勢などの地政学リスクで、エネルギーの安定供給の重要性を痛いほどみんな思い出した」などと話した。電気料金はLNGの価格と密接に関係しており、エネルギー経済社会研究所の松尾豪代表は「LNGの供給力の増加で、今後電気料金は中長期的には下落していく可能性が高い」などとコメントした。

日産社長 単独インタ ホンダ協業と資金調達の行方

経営不振にあえぐ日産自動車のイヴァン・エスピノーサ新社長が、テレビ東京の単独取材に応じた。メキシコ生まれの46歳で約20年にわたり世界各地で日産の商品開発に手掛け、「日産愛」の強さには自信があるという。4月の社長就任と同時に経営再建を託された。先月の決算会見で国内外で2万人の削減と7工場の閉鎖を発表し、神奈川県の追浜工場などで閉鎖の検討が進んでいる。リストラ発表から具体策を打ち出せないまま、日産の格付けは下がり続けている。問題となっているのが資金調達で、UKEF(イギリス政府系機関)から1900億円の融資の保証を取り付けるとの報道があったが、一部では難航しているとの情報もある。またフランス・ルノーの株を売却することについて、エスピノーサ社長は「決定したり計画したりはしていない」などとコメントした。都内で株主総会を開いたホンダは、三部社長が「日産との協業の検討が継続している」と表明。エスピノーサ体制となり再び接近しているように見える日産とホンダだが、両者が手を握ることはあるのか。

立憲 野田代表 不信任案の提出見送り表明

立憲民主党の野田代表は石破内閣に対する不信任決議案について、今国会での提出を見送る考えを明らかにした。これにより石破総理大臣は衆議院の解散を見送る見通し。一方で野田代表は政府の物価高対策について「無策のままで信任できる状態ではない」と述べ、来月の参議院選挙で「争点として訴えていきたい」と強調した。

WBS Quick
ガソリン価格上昇に追加対策

石破総理大臣は国会内で与野党の党首と会談し、中東情勢の緊迫化を受けたガソリン価格の上昇に備え追加の激変緩和措置を実施すると表明した。1リットルあたりの全国平均価格が175円程度を上回らないような水準の措置を目指す。今年8月末まで実施し、財源はガソリン補助用の基金の残りを活用する方針。

日米関税「7月9日が節目」

赤沢経済再生担当大臣は、アメリカとの関税措置をめぐる交渉の妥結時期について「念頭にある節目の日時は来月9日」と述べ、相互関税の上乗せ分が一時停止されている期限までに交渉をまとめたいとの考えを示した。そのうえで交渉については「担当閣僚の間で合意の可能性についてぎりぎりまでお互い探っている状況」と説明した。

両陛下 原爆慰霊碑に供花

戦後80年を機に天皇皇后両陛下が広島市を訪れ、原爆慰霊碑に花を手向けられた。両陛下は公園内で原爆被害の展示を見たあと、被爆者から話を聞かれた。

学生ビザでSNS公開要求

アメリカ国務省は、各国のアメリカ大使館で停止していた学生ビザ取得ための面接予約を近く再開すると発表した。申請者に対してはSNSアカウントを全て公開設定にするよう求め、アメリカに対し敵対的な態度を示していないかどうかを確認する。国務省の担当者は「アメリカの大学をより安全にする」としている。

スイス中銀利下げ ゼロ金利に

スイスの中央銀行は、政策金利を0.25%引き下げ0%にすると発表した。利下げは6会合連続で、2年9か月ぶりの低水準となる。物価の伸び率が先月マイナスとなり、中銀は「インフレ圧力の低下に対応するため」と説明している。ヨーロッパでは物価の伸びが低下する懸念が高まっていて、ECB(ヨーロッパ中央銀行)も7会合連続の利下げを決めている。

トレたまneo
ファスナーが自動で閉まる!?

きょうのトレたまは、ファスナー大手のYKKが開発した「自走式ファスナー」。装置に歯車とモーターが内蔵され、遠隔操作でファスナーを開け閉めできる。建築現場で工具の落下などを防ぐために取り付けられる建築シートなどでの活用を目指している。また災害現場などで使われる大型テントの連結部分など、人の手が届きにくい場所でもファスナーを自動で開け閉めできる。大型のテントやシェルターなどを手掛ける太陽工業がYKKと共同で開発し、実用化するにはファスナーを閉める時のパワーをさらに強くする必要があるという。YKKでは過去にアパレル向けに自走式ファスナーを開発していたが、大きさとスピードがネックとなり開発がストップした。そこでサイスが大きくても使うことができるシートやテント用の開発に切り替えたという。日本のアパレル市場は縮小傾向にあり、地域別で見た日本での打ち上げは全体の7%に留まる。YKKは自走式ファスナーを実用化させ、日本市場での売り上げ拡大を目指す。

スタジオトーク

YKKが開発している「自走式ファスナー」について。シートを固定さえすれば1人で作業できるため、現場の人員削減につながる。今後は防水機能を搭載するなどの改良をしていくという。

(ニュース)
利下げを求める トランプ大統領 パウエル議長を痛烈批判

FRB(連邦準備制度理事会)は金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)を開き、政策金利を据え置いた。利下げの見送りは4会合連続。同時に発表した経済見通しではインフレ率の予想を前回の会合から引き上げた一方、今年の利下げ回数の見通しを2回で維持した。関税の影響は「夏にかけてさらに表れる」と予想し、関税政策の影響を見極める考えを改めて示した。トランプ大統領はFOMCの最中にパウエル議長を「おろか者だ」と痛烈に非批判し、あらためて利下げを求めた。パウエル議長は「会合のメンバーが望んでいるのは、力強い労働市場と物価安定を伴う良好で堅調なアメリカ経済だ」と述べ、批判の応酬は避けた。

解説 金利見通しに変化 遠のく利下げ…利上げ論も?

FRBが政策金利据え置きを決定したことについて、ピクテ・ジャパンの市川眞一シニア・フェローが解説。関税が不確定要因になっており、アメリカの関税収入は昨年の月間平均より3.4倍と大きく上がっている(米・財務省統計よりピクテ・ジャパン作成)。一見すると税収が上がって良いことのように思われるが、最終的には製品に転嫁されてアメリカ国民の負担になり物価が上がるため、FRBは慎重にならざるを得ない。FOMC参加者の政策金利見通しは、年末には中央値3.9%との予想。しかし徐々に現状維持派が増えており、今の段階で利下げをする考えはFRBにはなさそう。今年は利下げがない可能性もあり、場合によっては来年前半に利上げの話が出てくる可能性もある。

マーケット最新 情報

為替の値動きを伝えた。

WBS Quick
レーカーズ経営権1兆円超で売却

アメリカのプロバスケットボールリーグNBAで八村塁が所属するロサンゼルス・レイカーズの経営権が、野球の大谷翔平が所属するドジャースのオーナー・マーク・ウォルター氏に売却される方針だとAP通信などが報じた。売却額は約1兆4500億円で、プロスポーツ史上最高額だとしている。

米マイクロソフト数千人削減か

アメリカのIT大手・マイクロソフトが営業部門を中心に数千人規模の追加の人員削減を計画していると、ブルームバーグ通信が伝えた。AI分野への巨額投資に伴うコスト削減策の一環だとしている。マイクロソフトは先月、世界の従業員の約3%にあたる6000~7000人規模の人員削減をすると明らかにしていた。

貸金庫で現金保管禁止

全国銀行協会は三菱UFJ銀行などで起きた貸金庫での窃盗事件を受け、貸金庫での現金保管を禁止するようルールを改正したと発表した。各銀行が貸金庫の運用規定を作る際に参考にする「ひな型」を改正し、各行に対応を促す。利用者に現金を保管しないとする申告書の提出を求めるという、

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