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- 豊島晋作 竹崎由佳 嶺百花
オープニング映像。
アメリカのトランプ関税をめぐり、来月9日に期限を迎える相互関税の一時停止措置の期限について、ベッセント財務長官が「一定期間延長する可能性がある」との考えを示した。トランプ政権が4月に導入した関税の上乗せ措置は、金融市場が混乱したため90日間停止させてきた。延長の対象には日本も含まれているとみられる。日米の関税協議が進展しない中で、4月~6月期の法人企業景気予測調査では大企業・全産業の景況判断指数が-1.9と5四半期ぶりのマイナスを記録した。大企業・製造業は-4.8で、特にトランプ政権が高い関税を課している鉄鋼業や自動車関連の製造業などで悪化した。きょう国会には与野党7党の代表が集まり、来週カナダで開催されるG7サミットに合わせ調整される日米首脳会談を前に、石破総理大臣が各党と意見交換した。会談を終え、石破総理は「国益を犠牲にしてまで早期の合意の優先はしない」と改めて強調した。一方総理周辺からは、ベッセント氏が期限延長を示唆したことについて「アメリカ国内の経済がもたないのだろう。ここで相互関税を課してしまうと、アメリカ国債などをめぐる混乱が再発してしまう懸念があるのではないか」などの声が聞かれた。あす赤沢経済再生担当大臣が渡米し、調整されている首脳会談を前に詰めの協議を行う。
野村不動産は、浜松町駅周辺でJR東日本と進めている「ブルーフロント芝浦」の開発について発表した。総事業費は4000億円で、野村不動産としては過去最大のプロジェクトとなる。2棟の高層ビルにオフィスや高級ホテル、住宅などを備える複合ビルで、1棟目となるタワーSは9月1日に全面開業する。「行きたくなるオフィス」を目指し約1500坪の共用スペースやサウナ、スポーツジムなどを完備し、オフィスフロアの9割弱はすでに入居が決まっているという。しかし浜松町駅は線路が街を分断する形となっており、人が移動しづらいなど事業者だけでは解決しづらい課題がある。そこで浜松町駅周辺で進む3つの再開発プロジェクトの事業者が協力し、街の課題を解決するための「芝東京ベイ協議会」を設立。それぞれの強みを活かし、街の価値を高めるという。竹芝地区にある複合施設「東京ポートシティ竹芝」は、東急不動産などが2020年に開業した。最先端のテクノロジーを散り入れたスマートシティに力を入れているが、平日1日に約6万人が訪問するため1つの施設だけでの運営には課題もあるという。今後竹芝地区のシステムを他の2地区に拡大し、訪れる人の利便性を向上させる狙いがある。2027年に開業予定の世界貿易センタービルディング本館には、オフィスやホテルのほか国際会議に対応した大規模なホールなどが整備される。このビルを起点に3つの地区を回る無料の循環バスの運行を計画し、移動し安い環境を整えるという。将来的には、羽田空港からやってくる海外の旅行者も滞在する国際観光拠点を目指すという。
企業がいま力を入れる「手当」について取材。家電量販店の「ノジマ」には多くの外国人観光客が訪れるため、今月からTOEIC手当の支給を始めた。アルバイトを含む全従業員に対し、TOEICスコア✕10円を毎月支給する。英語でのコミュニケーションは、売り上げにもつながるという。この手当は働きがいにもつながっているといい、手当を受ける学生スタッフは「もっと頑張ろうという気持ちになる」などとコメントした。
各社が行っている最近の手当について。ノジマの「TOEIC手当」は、1年以内のテストのスコアが750点以上であればアルバイトを含む全従業員が毎月受け取れる。セブンーイレブン・ジャパンは物価上昇に伴い「転勤者住宅補助」を拡充し、支給額を最大6000円増やした。オリックスは転勤した若手の独身社員を対象に、実家などに規制する際の交通費を補助する。北海道の建設会社「フクタ」では、女性の技術社員に「日焼け止め手当」を月3000円支給する。生成AIの利用料を補助するための手当や、SNSを使って会社をアピールすると受け取れる「SNS手当」などもある。早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授は、「従業員側にも会社側にもメリットがある。社員には給与増より手取りが多い可能性があり、企業は内外にアピールしやすくかなり使われ出している」などとコメントした。
インド西部の都市・アーメダバードで、242人搭乗のエア・インディアの旅客機が離陸直後に空港付近の住宅街に墜落し炎上した。ロイター通信によると地元警察は200人以上の死者を確認したと発表し、「乗客に生存者はいないとみられる」との見方を示した。乗客に日本人は搭乗していなかった。地元メディアは地上でも死者が出たと伝えている。機体はロンドン行きのボーイング787型機で、当局が事故の原因を調べている。
小泉農林水産大臣は、関税ゼロで輸入できるミニマムアクセス米のうち主食用の入札を今月27日に実施すると表明した。入札を前倒しすることで、9月下旬には引き渡しができる見込みだとしている。最大10万トンの主食用輸入枠の内、初回の入札は3万トン分が対象。高騰するコメ価格を抑制するため、小泉大臣は「できることは何でもやる」と強調した。
トヨタ自動車は定時株主総会を開き、豊田章男会長ら10人の取締役選任案など6議案がすべて承認された。またトヨタ傘下の日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合については、豊田会長が「国内トラック業界の再編が民間主導でできた」と意義を述べた。豊田自動織機の非上場化については、具体的な言及はなかったという。
アメリカ国防総省は、イギリスとオーストラリアとの安全保障の枠組「AUKUS」の柱となる原子力潜水艦をオーストラリアへ提供する計画について、「見直している」と明らかにした。計画は前のバイデン政権時代に合意されたもので、国防総省は「計画がトランプ大統領のアメリカを最優先とする政策と適合するか確認している」と説明している。
アメリカのウォルト・ディズニーとNBCユニバーサルの関連企業は、海賊版映画キャラ画像を作成し著作権を侵害したとして、生成AIの開発・提供を行うミッドジャーニーを連邦地方裁判所に提訴した。ミッドジャーニーがソフトウェアに画像を学習させ、代表的キャラなどを無断で生成し配布したと主張している。
フランス東部で少年による刺殺事件が起きたことを受けて、マクロン大統領は15歳未満の子どもがSNSを使用できなくすることを検討していると明らかにした。SNSについては、暴力などを誘発しかねない有害コンテンツに子どもがさらされる危険性があると指摘されている。マクロン大統領は「EUで禁止に向けた議論を数か月続け、まとまらなければフランス独自で実行する」と述べた。
大手IT企業・伊藤忠テクノソリューションズが、物流業者の配送ルート作りを自動化するサービス「オプティライナー」を発表。手作業で3時間かかる配送ルート作りを数秒で表示し、微調整を含め数分での作成を可能にする。この技術を可能にするのは、超高速計算を行う「量子コンピューティング」と膨大な選択肢から最適解を発見できる「数理最適化」。埼玉県上尾市の物流業者では1日100件ほどの家具の配送を手掛けているが、ルート作りを手作業で毎日3時間かけて行っていた。しかし「オプティライナー」を導入したところ作業が大幅に短縮され、ルートの完成度も熟練の社員が組んだものと遜色ないという。
日本政府は量子コンピューティングの技術について、2030年に向けてマーケットを大きくすると方向性を出している。量子コンピューティングには「アニーリング方式」と「ゲート方式」の2種類があり、アニーリング方式は配送ルート作成や在庫管理、金融ポートフォリオの組み合わせなど最適化問題を解くのに強い。ゲート方式はまだ技術的な課題があるが汎用性と柔軟性が高く、医薬品や新素材の開発、暗号の向上などが期待されている。最近ではAIで量子コンピューティングの力を上げていくという考え方がある。
長野県塩尻市にある鋳物工場では、体感温度50度以上にもなるという炉の周りで作業が行われている。作業員のヘルメットには、熱中症対策の装置が付けられている。心拍に加え、発汗量を計測できるという。熱中症になったときにいち早く現れる症状が、大量の汗。装置に内蔵されたファンが汗を吸い出しセンサーがその量を測る仕組みで、データはパソコンやスマホにリアルタイムで表示される。汗は心拍や深部体温よりも、早めに熱中症を検出できるという。今月から職場での熱中症対策が義務化されており、この装置が対策に役立つと期待されている。装置を開発したのは諏訪東京理科大学初のベンチャー企業で、社長はセイコーエプソンで心拍を測定する腕時計型のウェアラブル機器を開発していた。今後の目標は、汗の量だけではなく塩分の量も同時に計測できるようにすることだという。
電動の立ち乗り三輪モビリティを開発するホンダ初のスタートアップ企業「ストリーモ」は、歩行者と同じ扱いとなる移動用小型車の導入を目指すと発表した。現在ストリーモが販売しているのは原則として車道と自転車専用道での走行が可能な特定小型原動機付自転車だが、移動用小型車では歩道も走れるようになる。最高速度は時速6キロで、三輪のため狭い道や段差でも安定して走行できる。
発電大手のJERAは、アメリカの4社から新規に年間最大550万トンのLNGを調達すると発表した。契約期間は3社とは20年間、1社とは20年以上で、早ければ2029年から供給を開始する。
三菱地所は、イギリスの不動産運用会社ペイトロン・キャピタル・パートナーズを買収し子会社化すると発表した。ペイトロンはヨーロッパを中心に投資実績があり、運用資産残高は約7590億円。今回の買収でヨーロッパでの不動産事業を強化し、2030年度末までに運用資産残高10兆円を目指す。
厚生労働省からの委託事業で費用を水増しし約4100万円をだまし取ったとして、警視庁はコンサルティング会社ランゲートの元社長の容疑者ら2人を詐欺の疑いで逮捕した。容疑者らはダミーの会社に金額を改ざんした請求書を発行させる手口で、経費を水増ししていたという。ランゲートは厚労省などから192の事業を受託していたが、警視庁はほかの事業についても実態を調べている。
トランプ大統領は11日、中東地域から政府職員の一部を退避させていると明らかにした。イスラエルがイランへの攻撃準備を完了したとアメリカ側に通告したとの報道があり、トランプ政権はイスラエルとイランの軍事衝突も念頭に備えを急いでいる。トランプ大統領の発言を受け、マーケットでは中東情勢の緊迫化が意識され原油先物価格が5%以上上昇し、一時約2か月ぶりとなる68ドル台をつけた。楽天証券経済研究所コモディティアナリストの吉田哲は「60ドル台後半での推移を考えている。トランプ大統領の発言の内容やマーケットの反応によっては、価格が上昇する可能性がある」などとコメントした。アメリカはイランと核開発についての高官級協議を15日に予定していて、協議の結果が注目される。
企業の間で取引されるモノやサービスの値動きを表すアメリカの5月の生産者物価指数は、前の月と比べて0.1%の上昇と市場予想を下回った。アメリカの利下げが意識され、為替相場はやや円高方向に動いている。為替と株の値動きを伝えた。