奈良県では、奈良市の中心部だけでも10軒以上の店でスパイスカレーが提供されている。奈良文化財研究所の専門家によると、1400年前、遣唐使によってスパイスが奈良の都にもたらされた。当時は、薬として宮廷貴族の間で使われていた。奈良は、スパイス発祥の地と言える。密教の寺院で見られる護摩法では、炎にくべられる品々のうち薬種と呼ばれるもののなかに、シナモンなどのスパイスが含まれている。仏様にそなえるにふさわしい価値あるものとして受け継がれてきた。創業840年の漢方薬局では、漢方薬の中にスパイスとしても使われるものが多くあることから、カレー粉を作る体験会が行われている。