鶏から採取した細胞から作られた培養肉のチキン。培養肉の開発などを行っているアメリカのスタートアップ企業は、7年前から培養肉の研究を進めてきた。元気な細胞を培養液の中に入れ、鶏の体温に近い温度で温めると、細胞が増える。巨大なタンクで、1ヶ月ほど培養し、培養液を取り除く。特殊な器械で加工すると、もも肉などが完成する。家畜が出す温室効果ガスを減らせるほか、家畜を殺す必要がなく、動物愛護の観点からも優れているとする。培養肉の製造には、多額のコストがかかる課題がある。この会社では現在、製造コストの大半を負担して、レストランに提供している。今後、生産設備を増やして、コストを抑えていきたいとしている。専門家は、培養の技術は、維持費が高額で、市民が日常的に培養肉を食べるようになるのは、まだ先になるなどとしている。世界の培養肉の市場規模は、10～20年後の間に6倍以上になると予想されている。アメリカの会社も、いずれ日本市場に進出したいと考えているという。