セクシュアルヘルスは性に関して心も体も健康であることが大切だという考えのことでWHOが性に関して身体的、感情・精神社会として良好な状態などと定めている。去年にはWHOが公表した研究成果では性感染症など健康面で改善がみられたとしている。アメリカで次々と出版されてるセクシュアルヘルスに関連する書籍。大手新聞社が発表するベストセラーに選ばれるなど社会の関心を集めている。この書籍は医学博士の資格をもつ著者が執筆。パートナーとの性行為や様々な悩みに若者が答え読者の不安を取り除くことを目的に出版された。セクシュアルヘルスの高まりは身近なところでも。家族連れや買い物客で賑わうスーパーマーケットでもセクシュアルヘルスに関連するアイテムが並ぶ。こうした商品も性の健康を促すものとして考えられ、市場規模も拡大している。2022年に65億ドルに達していた市場は2028年には101億ドルになると予想される。セクシュアルヘルスの取り組みが社会にもたらす効果について研究してきた専門家はCDCなどでセクシュアルヘルスを推進してきた自身の経験から公衆衛生に良い影響をもたらすとしている。安全で喜びのみちた性体験ができるという取り組みに心理療法士のヴァネッサさんとサンダーさんはインスタグラムを中心にSNSのコンテンツを発信している。パートナーとの性行為に関する悩みを解消すること精神的な健康を保つ上で重要だと考えている。夫妻はSNSを通じ性行為に悩む人たちの相談をうけている。この日のテーマは自分からパートナーに性行為に誘えないと言う悩み。
セクシュアルヘルスの理解が広まる一方で、性の知識に触れる機会が限られている人たちもいる。ガットマッハー研究所は州によって性教育の方針は大きく異なっていると指摘している。カリフォルニア州では性教育を義務とし、避妊の方法やコンドームの使い方も教えている。しかしペンシルベニア州では性教育は義務として位置づけられていない。専門家は性教育の違いでセクシュアルヘルスの実現に影響していると語る。性に関する知識が限られ、大人になってから性の問題に直面したというローレンさん。敬虔なクリスチャン　の家で育ち、性について関心をもつことに罪悪感を持ちながら生きてきた。性的な場面で自分の気持ちを相手に伝えられず、完全な同意のない性行為を経験するなどの問題に直面した。性について望まない体験を防ぐのもセクシュアルヘルスの目的の一つ。こうした課題を解決するために注目されているのがセックスセラピー。ローレンさんも今年3月から受けているという。出迎えたのはセックスセラピストのステファニーさん。医学を学び、1年以上の臨床経験を積んだ上で認定され、セックスセラピストは全州で1100人以上に。この日ローレンさんはずっと悩んでいたことを打ち明けた。自分の気持ちを伝えるのが苦手だというローレンさんにステファニーさんはアドバイスをした。ステファニーさんは性の問題は自尊心や対人関係、生活の質など様々に影響するという。