藤井キャスターが訪ねたのは”世界初”の技術が眠る東京・港区のオフィスである。ヒト細胞だけで臓器を作製できる「バイオ3Dプリンター」があり、大きさわずか0.5ミリほどの細胞の塊を剣山に刺すと次第に細胞同士がくっつき始め立体的になるという。今後2~3年で実用化を目指し、様々な臨床試験が行われているこの技術。中でも代表的なのが断裂した神経にバイオ3Dプリンターで作った神経同士をつなぐ管「神経導管」を移植する手術である。これまでの手術では患者の足・耳の裏などの神経を切って移植したり人工神経を使うのが一般的だったが、副作用や安全性に課題があった。一方、バイオ3Dプリンターで使うのは患者の皮膚の一部から採取した細胞でありこれを培養して作製したものを移植するため、副作用はなく安全性を確保できるという。さらにきょう発表されたのが新たな治療薬の開発などに期待されている新技術である。バイオ3Dプリンターで病気になった状態を再現した「ヒト3Dミニ肝臓」である。大阪・関西万博でも”ミライの診察室”の一部として紹介されているバイオ3Dプリンター。目指すのは「ドナーのいらない移植」である。