バイオミメティクス(生物模倣)とは、生き物の構造や機能を研究して、新しい開発に生かす科学技術を意味する。魚の機能を模倣した製品を作ることで、脱炭素につなげようという取り組みを取材した。東京と伊豆諸島などを結ぶ大型客船には船底に特殊な塗料が塗られていて、水との摩擦を減らすことにより燃料を300キロリットル、年間およそ1割削減している。秘密は塗料の中に含まれている成分で、ヒントになったのはマグロ。種類によっては時速100キロ以上で泳ぎ、高速で泳げるよう表面がぬるぬるの粘膜で覆われている。この膜に似せた成分を塗料メーカーが開発。塗料に混ぜることで水の抵抗を減らし、省エネになるという仕組み。塗料はほかにも、漁船やコンテナ船など1000隻以上に導入が進んでいる。
魚をまねした技術は、空でも使われようとしている。航空会社が行っている実験は、サメの肌をヒントに開発したフィルムを貼ることで、燃費を向上させようというもの。サメは、獲物を捕まえるときにエネルギー消費を抑えながら素早く動くため、溝が折り重なった肌をしている。サメの肌については、競泳の水着も参考にして話題になった。大手精密機器メーカーはこの構造をヒントに、10分の1ミリほどの凹凸のあるフィルムを制作。航空機は、高速で移動するときに機体の表面に空気の渦が発生し、抵抗が生まれる。フィルムを貼ると溝があるため渦が接する面積が小さくなり、抵抗を減らすことができる。大手精密機器メーカーの試算では、年間使用量のおよそ2%にあたる12.4万リットルの燃料を削減できる。サメの肌をヒントに使ったフィルムは、風力発電の風車に貼ることで発電量を上げようという実験も行われている。
魚をまねした技術は、空でも使われようとしている。航空会社が行っている実験は、サメの肌をヒントに開発したフィルムを貼ることで、燃費を向上させようというもの。サメは、獲物を捕まえるときにエネルギー消費を抑えながら素早く動くため、溝が折り重なった肌をしている。サメの肌については、競泳の水着も参考にして話題になった。大手精密機器メーカーはこの構造をヒントに、10分の1ミリほどの凹凸のあるフィルムを制作。航空機は、高速で移動するときに機体の表面に空気の渦が発生し、抵抗が生まれる。フィルムを貼ると溝があるため渦が接する面積が小さくなり、抵抗を減らすことができる。大手精密機器メーカーの試算では、年間使用量のおよそ2%にあたる12.4万リットルの燃料を削減できる。サメの肌をヒントに使ったフィルムは、風力発電の風車に貼ることで発電量を上げようという実験も行われている。