ブラジル北東部にあるサンタイサベル島、砂丘の奥に広がる森に謎の珍獣が暮らしている。珍獣の正体は「ヒメアリクイ」。ヒメアリクイの前足には鎌のような大きな爪が目立ち、足の裏は肉球みたくなっている。後ろ足も前足のようなカタチをしている。この独特な形のおかげで細い枝でもしっかり握ることができ木の上を自由に移動できる。ヒメアリクイの狩りの様子を紹介した。アリの巣穴に前足の長い爪を引っ掛け割れ目を作り、そこに長い舌を突っ込み中のアリを絡め取って食べていた。
9月中旬、枝の奥には赤ちゃんのヒメアリクイがいた。こんな幼い姿が撮影されたのは世界で初めてのこと。ヒメアリクイは母親だけで子育てを行う。30分後、お母さんはまだ歩けない赤ちゃんを振りほどきあるき出し餌を食べていた。お母さんは赤ちゃんにお乳を上げるためにいつも以上に栄養が必要、そのため栄養が豊富なアリの蛹などを探すため一晩中動き回らないといけない。お母さんは1人で待っている赤ちゃんが襲われないように、枝が重なる木々の隙間を選び外敵から見つからないようにしたり、毎晩寝床の木を変えたり、様々な工夫をしていた。ある日、お母さんと赤ちゃんが喧嘩をしていた。しばらくすると赤ちゃんはお母さんの背中に回り込んだ。すると喧嘩がウソのように収まった。これはお母さんが、赤ちゃんに身を守るすべを教えているのだという。しばらくたったある日、お母さんと別れたばかりの、ヒメアリクイを見つけた。身を守るすべを学ぶとそのひと月後には独り立ちをするという。