TVでた蔵トップ>> キーワード

「シカゴ大学」 のテレビ露出情報

CIAの前身組織となったのが、第二次世界大戦中に組織された戦略情報局・通称「OSS」。OSSは敵国に潜入してのスパイ行為を担う対外諜報機関として設立され、破壊工作や文書偽造、秘密工作のために開発された特殊機器の開発までを一手に行っていた。
第二次世界大戦の終結に伴い、OSSの後継組織として1947年に設立されたのが中央情報局・通称「CIA」。その最初の任務の舞台となったのがイタリアだ。当時の ヨーロッパでは共産主義勢力が影響を強めており、1948年の総選挙を前にしたイタリアでも共産党員の数が爆発的に増加していた。イタリアでの社会主義政権樹立が現実味を帯びる中で、アメリカは親米派のキリスト教民主党を引き入れることでイタリアを西側陣営に留めることを画策。時の大統領・トルーマンからの指示を受け、CIAはイタリアの選挙に秘密裏に介入。キリスト教民主党や市民団体に巨額の資金援助を行うと同時に、アメリカ本国からはイタリア系移民を通じて共産党に投票しないよう呼びかける作戦を展開した。この作戦が功を奏し、イタリア総選挙はキリスト教民主党の勝利によって幕を閉じた。
イタリアでの成功を受けて、アメリカでは「CIA法」が制定される。この法律により正式な予算がつけられると同時に、CIAは活動内容を議会に報告せずに情報工作を遂行できるようになった。こうした行政特権を背景に、CIAを世界有数の情報機関へと育て上げたのが5代目長官のアレン・ダレス。彼は元OSSの工作員としてナチス・ドイツと戦った辣腕の元スパイで、ジェームズ・ボンドをこよなく愛する男だった。
ダレスの指揮の下、CIAの次なる目標となったのが中東の小国・イラン。当時のイランは長年にわたりイギリスが支配してきた石油利権を突如国有化することを宣言し、イギリスを狼狽させていた。イギリスから時のイラン首相、モハンマド・モサデクを打倒するように要請を受けたアメリカ政府は、CIAに政権転覆のための秘密工作「エイジャックス作戦」の発動を命じる。CIAは多額の資金を投じて買収したイラン国内の宗教関係者やギャングにモサデク支持者を装わせ、暴動を起こすように仕向けて市民のモサデク離れを狙った。こうして反モサデクの機運が高まる中、1953年にはCIAが味方に引き込んだ国王警護隊や軍の一部がモサデクの自宅を襲撃。モサデクは国王に対する反逆を企てた罪人として失脚する。このクーデターによってイランの石油利権はアメリカとイギリスの石油メジャーによって牛耳られることになり、米英のオイルマネーによって潤ったイランは中東随一の親米国となった。
冷戦が熱を帯びてくると、CIAの活動の場は再びヨーロッパへと戻った。次なるターゲットとなったのは社会主義国家・ソ連の衛星国がひしめく東欧諸国。1956年、時のソ連第一書記であるニキータ・フルシチョフはソ連共産党第20回大会においてスターリン時代の政策や思想を批判する「スターリン批判」を展開。その演説内容は党大会参加者以外には極秘とされていたが、CIAはイスラエルの情報機関を通じて音声を入手。東欧諸国に向けたプロパガンダを放送するラジオ局「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」の電波を通じ、その演説内容を東欧諸国に暴露した。その放送から4ヶ月後、ハンガリーのブダペストでは首相交代とソ連軍の撤退を求める大規模なデモが巻き起こる。デモの拡大を恐れたハンガリー政府とソ連は3万を超える軍隊を送り込んで鎮圧を図ったが、市民たちも武器を手にして応戦。「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」は火炎瓶の作り方まで放送し、市民の蜂起を支援した。市民を援護するためにCIAはさらなる支援の拡大を検討したが、ソ連との武力衝突を恐れるアイゼンハワー大統領はこれ以上の介入を望まなかった。こうしてハンガリー市民ははアメリカに見捨てられる形となったが、「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」はそれを隠したまま市民の抵抗を煽り続けた。ラジオの放送を信じた市民たちは最後まで戦い抜いたが、その抵抗もやがて鎮圧され、後に残ったのは無数の難民と逮捕者だけだった。
続くCIAの秘密工作の舞台となったのは、南米のチリだった。1970年11月、チリでは世界初の民主的な選挙による社会主義政権が誕生。大統領に就任したサルバドール・アジェンデはアメリカの影響下にあった銅鉱山を国有化し、アメリカは危機感を募らせていた。大統領のリチャード・ニクソンと国家安全保障担当のヘンリー・キッシンジャーはCIAにアジェンデ政権の打倒を命じる。CIAはチリで広がっていた経済不安を背景に、社会主義政権に不満を持つ経営者や富裕層を取り込んで国有化に反対するストライキを行わせた。ストライキによってチリ国内では極端な物資不足とインフレが発生。しかし、極端な貧富の差が残っていたチリでのアジェンデ人気は根強く、労働者たちは足りない物資を自ら作り出して政権を支えた。3年に及ぶ工作を経ても衰えないアジェンデの人気に苛立つCIAは、より直接的な方法でアジェンデを排除する方針に切り替える。1973年9月11日、チリの国軍と国家憲兵隊はアジェンデ政権が政情不安を引き起こしたとして大統領府を襲撃し、アジェンデは抵抗の末に自殺。その死の間際、アジェンデはラジオを通じて国民に最後のメッセージを遺している。「軍部は武器をもって我々を屈服させるだろうが、暴力をもってしても社会の進歩を押しとどめることはできない。歴史は我々のものであり、人民がそれを作るのだ。どれだけ時がたとうとも、より良い社会を築くために、新しい”自由に人々が歩く大きな道”が再び開かれるだろう。チリ万歳!人民万歳!労働者万歳!」
アジェンデ政権の崩壊後、政権は軍事クーデターを指揮していたアウグスト・ピノチェト将軍が握ることになる。ピノチェトはアジェンデの支持者に対する処刑を繰り返し、人権を弾圧する独裁者として世界中から非難を浴びたが、アメリカ政府はピノチェト政権に対する支持を表明。アメリカとの関係を強めるピノチェト政権ではミルトン・フリードマンが提唱する新自由主義経済が導入され、外国資本が一気に流入。チリは中南米で最速の経済成長を遂げ、「チリの奇跡」と称えられた。だが、人権弾圧を続けるピノチェト政権に対する批判は止まなかった。時を同じくして、アメリカ国内では拷問や盗聴などを含むCIAの秘密工作の内容がニューヨーク・タイムズによって暴露され、大スキャンダルに発展。これを契機に、CIAは活動内容について報告する義務が課されるようになった。
東西冷戦下で世界を望む形に作り変えようとしたCIA。だが、その目論見は必ずしも成功しなかった。イランは1979年のイラン・イスラーム革命を契機として強硬な反米国家に転じ、アメリカはイランの石油利権を失った。社会主義政権から軍事独裁政権に転じたチリでは2022年、新自由主義の是正を掲げるガブリエル・ボリッチが大統領に就任。ボリッチは就任演説でアジェンデの演説を引用し、こう語った。「サルバドール・アジェンデが50年前予言した通り、私たち愛国者は戻ってきました。”自由に人々が歩く大きな道”を切り開きましょう!市民の手でより良い社会を築きましょう!チリ万歳!」
現在も世界の裏側で活動を続けているCIA。2022年、設立75周年の記念式典でバイデン大統領は職員に向けてこう語りかけた。「CIAのおかげで世界中で命が救われ、危機が回避され、真実が明らかになり、75年間にわたり歴代アメリカ大統領の決断はより良いものとなりました。皆さんの仕事の多くは職員やその家族を守り、情報源や作戦を守るため、必然的に日の目を見ることはありません。可能な限り秘密と透明性のバランスをとり、残虐行為に光を当て、陰謀や脅迫、侵略行為を未然に阻止しなければなりません。皆さんは今後もアメリカの安全保障と国力を支えてくれるでしょう」。

他にもこんな番組で紹介されています…

2024年11月6日放送 4:15 - 5:00 NHK総合
国際報道油井’s VIEW
米国大統領選挙。両陣営が選挙結果を認めて平和的な政権移行ができるかどうかが最大の焦点ともいえる今回の選挙。結果を認めず前回の議会乱入事件のような暴力に訴える人も出てくるのではないか、そんな政治的暴力への懸念も強まっている。2021年1月6日「連邦議会乱入事件」ではトランプ氏の支持者らが議会に乱入、警察官など5人が死亡。1400人以上が訴追されるなど地方当局が[…続きを読む]

2024年10月25日放送 10:25 - 13:00 テレビ朝日
大下容子ワイド!スクランブル(ニュース)
坂井豊貴氏とともに民主主義の実情について伝える。ノーベル経済学賞にはダロン・アセモグル教授、サイモン・ジョンソン教授、ジェームズ・ロビンソン教授の3人が選ばれた。アセモグル教授は「「国家はなぜ衰退するのか」 ―権力・繁栄・貧困の起源」では民主主義が実現しているかが反映と衰退には影響していると提唱し、少数のエリートに権力が集中する収奪的制度と民主的な包括的制度[…続きを読む]

2024年10月19日放送 23:30 - 23:45 NHK総合
漫画家イエナガの複雑社会を超定義(漫画家イエナガの複雑社会を超定義)
日本人の睡眠時間は先進国中ワースト1位の短さ。平均より1時間も少ない。睡眠不足は健康だけではなく経済にも悪影響がある。寝不足による日本の年間経済損失額は約15兆円。今回は睡眠の真実、その研究の最前線について特集する。
70年前までは睡眠の仕組みは全く解っていなかった。後に睡眠研究の父と呼ばれるウィリアム・C・デメント博士が解明した。デメントはもともとフロイ[…続きを読む]

2024年10月15日放送 5:50 - 9:00 日本テレビ
ZIP!PICK UP NEWS
ことしのノーベル経済学賞がきのう発表され、米国のマサチューセッツ工科大学・ダロン・アセモグル教授、サイモン・ジョンソン教授、シカゴ大学・ジェームズ・ロビンソン教授が選ばれた。3人はかつてヨーロッパ人によって植民地化された国々に導入された社会制度を研究し、搾取的な制度のもとでは権力者の短期的な利益しか生み出されないなど、国の繁栄には社会制度が重要であることを明[…続きを読む]

2024年10月15日放送 5:45 - 7:05 テレビ東京
モーサテ(ニュース)
スウェーデン王立科学アカデミーは、今年のノーベル経済学賞を米国マサチューセッツ工科大学のダロン・アセモグル教授、サイモン・ジョンソン教授、シカゴ大学のジェームズ・ロビンソン教授に授与すると発表。社会制度が国家の繁栄に与える影響を分析した研究が評価された。受賞した3人は、ヨーロッパ諸国の植民地政策を分析し、導入される社会制度によって、経済の発展が左右されること[…続きを読む]

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.