イリノイ州は17年に1度セミが大発生する地域として知られている。34年前と17年前、幼虫の出現が始まったのはどちらも5月下旬。セミの幼虫は木の根から養分を吸って成長する。今回の出現も5月下旬。平均寿命が2～8年と言われるセミたちの中で周期ゼミは最も長生き。幼虫たちは次々に羽化する。羽化の途中で落ちてしまえば羽が傷つき、飛ぶことはできない。
翌朝、体が固くなって黒く色づきセミらしい姿になった。これから数週間の地上生活が始まる。セミで鳴くのはオスだけという。北部の17年ゼミに加え南の地域では13年ゼミという別の周期ゼミが同時発生。合わせて数兆匹という。氷河期で気温が下がり木々の成長が遅くなった。幼虫も成長速度を遅くし、タイミングを合わせて一斉に羽化し繁殖の確率を上げようとしてきたという。周期ゼミはアメリカで最も繁栄したセミになった。目が赤くなった幼虫はその翌年に必ず地上に出てくる。