「ホリコ・キャピタルマネジメント」の堀古さんはFRBが去年から行なっていた銀行への資金繰り支援策が停止することについて「FRBはちょうど1年前、シリコンバレー銀行の破綻をきっかけに「BTFP」を導入した。民間の銀行に対し債権の市場価格ではなく額面まで貸し出す異例の措置で、これにより一旦危機は回避された。しかしこのプログラムの足元の利用状況を見ると導入後最高に近い残高になっている。個別の銀行名は明かされていないが、銀行全体としてはまだストレスを抱えた状態が続いていることが分かる。ニューヨークの11日をもってこのプログラムによる新しい貸出は行われなくなったが、既存の貸出は1年間継続される。一方で金額自体はそれほど大きくないものの、プログラムの利用が最高残高というのはまだ危機に陥る可能性のある地方銀行が存在していることを意味する。特に今後債券価格が下落すると以前のようにFRBから額面まで借りられる状況ではなくなるため、危機が表面化しやすくなる。地銀株の推移を見ると去年の安値よりは回復しているが、危機前には戻っていない。BTFPの停止が金融システム全体に影響する可能性は低いものの、個別ではまだ危機がくすぶっている状況にあるといえる。」などと述べた。