経済部の井村デスクに聞いていく。きょうの会合で日銀が追加利上げを検討する。いよいよ日銀が目指す2%の物価目標の実現が見えてきたということ。物価の上昇は長期にわたって続いているのに物価目標の実現にはまだ至っていないというのはどうしてかと思われるかもしれない。実は日銀が目指してきた物価目標というのは物価と賃金がともに上昇して経済の好循環を生み出す形。その賃金上昇が広がってきていて、ようやくその目標の実現に近づいてきた。そして、その利上げを検討するもう1つの背景が円安が経済に及ぼす悪影響への懸念。円安の影響で輸入物価が上昇すれば、物価が想定よりも上振れして消費を冷え込ませるリスクがあるという声が日銀内でも上がっていた。こうした物価の上振れによる悪影響を避けることもこの利上げ検討のねらいと見られている。そして日銀が利上げした場合、今の為替市場は円安局面だが、こちらにも変化があるのだろうか。今回、利上げを決めた場合、これだけで潮目が変わるかどうかっていうのはまだ不透明。実は市場ではすでに日銀が早期に利上げするという思惑が織り込まれる形で今月中旬以降、円相場は円高方向に動いてる。30日のニューヨーク市場でも1ドル152円台まで値上がりした。その上で円安局面が変わるかどうかを見極めるのに注目されるのは日銀の金融政策の今後の方向性。それだけに今回の会合の詳しい決定の内容とともに午後に開かれる植田総裁の発言の内容にも注目が集まっている。また、これまでの円安の大きな要因となっていた米国の金融政策については日本とは逆に利下げに向けた動きが焦点になっている。これについては日本時間のあす公表されるFRB(連邦準備制度理事会)の会合の結果とパウエル議長の発言、こちらが注目される。