大和証券キャピタルマーケッツアメリカ・高橋さんは20日のNY株式相場について「S&P500が前日までに8連投しており、あと1%強上昇すれば終値ベースで最高値更新となるなど、短期的には過熱感がありさすがに売りが優勢となった。先週から大きく買われていた半導体株やAI関連株を中心に下落している。週末にジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控えている他、来週には注目のエヌビディアの決算発表がある。腫瘍イベントを控える中、一旦は利益確定の動きが優勢となった」と話した。製薬会社「イーライリリー」の肥満症治療薬の報道については「イーライリリーの株価は終値で最高値を更新。肥満症治療薬『チルゼパチド』を投与された患者は、糖尿病の発症リスクが94%低下するとの試験結果が提示され好感された。こうした肥満症治療薬の費用は高額なため、保険適用の拡大が今後の普及の鍵になるとみられているが、そのためには肥満症の合併症に対しても治療効果があるということを証明する必要があると考えている。今回の臨床試験結果は、競合の『ノボノルディスク』のデータより良好とされている。また、イーライリリーは他にも心不全向けなどでも臨床試験を進めており、今回のように良好な結果が開示されれば市場で好感される流れが続くとみている」と話した。