今週は日米で金融政策を決める会合が開かれる。米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が17日と18日、日銀が19日と20日。今回の会合でFRBは、利下げに踏み切ることがほぼ確実視されている。利下げを決めれば2020年3月以来、4年半ぶりとなる。市場は利下げの幅(0.25%あるいは0.5%か)に関心が集まっている。米国が利下げに踏み切る背景として、長く続いたインフレは落ち着いてきた一方で、雇用の伸びが鈍化してきている。さらに物価の高止まりで個人消費に減速感も出てきているため、住宅ローンなどにも影響する金利を下げて景気を下支えしようというのがFRBのねらい。通常は1回の利下げの幅は0.25%。0.5%になると、それだけ強力な下支えが必要だというメッセージにもなる。市場の予測について。雇用に関する重要な指標・8月の雇用統計が警戒されたほど悪くなかったため、市場では通常の0.25%との予想が大勢だったが、12日に出たウォールストリートジャーナルの記事で雰囲気が大きく変わってきた。記事のタイトルは、利下げのジレンマ「大きく始めるか小さく始めるか」で、FRB・パウエル議長は難しい決断を迫られるという内容。記事を書いたニックティミロス記者は、金融業界では名の知られた存在。このタイミングでこの記事を書いたことで、多くの人が予想する0.25%ではなく0.5%の大幅利下げの可能性が出てきたのではないかという受け止めが市場で急速に広がった。きのう午後の時点で、市場ではおよそ6割が0.5%の利下げを予想している。円相場もこれに敏感に反応した。日本が祝日だったきのう、一時1ドル=139円台まで値上がりした。これはおよそ1年2か月ぶりの円高ドル安水準。米国の金利が下がり日米の金利差が縮小するという見方から、ドルが売られて円が買われた。米国の利下げは0.25%か、あるいは0.5%なのか。日本時間19日に発表されるFRBの判断が注目される。