アメリカが発動したのは全ての国と地域からの輸入品を対象とした10%の関税。アメリカ・トランプ大統領が2日に発表した相互関税の一部と位置づけられていて、貿易赤字がある国への上乗せ税率は9日に発動する。上乗せ税率も合わせると日本には24%の相互関税が適用されることになっている。これに先立ち、4日のニューヨーク市場は中国の報復関税の発表などから今後世界経済が冷え込むとの警戒感が広がった。結局ダウ平均株価は前の日より2200ドル以上安く取引を終え、一日の下落幅としては史上3番目の大きさを記録。2日間で3900ドル以上、値を下げた。SMBC日興セキュリティーズアメリカ・尾畠未輝シニアエコノミストは週明けも下落する可能性があると予測したうえで「コロナと違って人為的な効果で株価が下がっている。トランプ大統領がどういう政策を次に打ってくるかが明らかになることが何より大事」と分析。こうした中、トランプ大統領は「私の政策は今後も決して変わらない」と株価を理由に関税政策を見直さない姿勢を強調。FRB(連邦準備制度理事会)・パウエル議長は関税引き上げについて「不確実性は依然として高いが、関税の引き上げ幅は予想を大きく上回ることが明らかになってきた」と述べたうえで、「物価上昇が加速し経済成長が鈍化するリスクが高まっている」との認識を示した。アメリカ・トランプ大統領は自身のSNSで強く利下げを求めたが、パウエル議長は「適切な方向性を示すには時期尚早」と述べるにとどめている。