中国から輸入されるEV(電気自動車)に対しカナダ政府は今年10月から新たに100%の関税を課す方針を明らかにした。トルドー首相は中国製のEVについて中国政府から不公正な補助金を受けていると指摘した。中国からのEVの輸入の問題では米国とEU(ヨーロッパ連合)が関税を引き上げる方針を明らかにしていてカナダも歩調を合わせた形。米国のホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は先日、カナダに向けて中国政府主導の過剰生産政策に共同戦線で対抗していこうと呼びかけた。中国からカナダに輸入されているEVの関税は今年10月からこれまでの6.1%から106.1%に大幅に引き上げられ価格は2倍になる。EVの他一部のハイブリッド乗用車、トラック、バス、配送用ワゴンも対象。中国の大手EVメーカーBYDがメキシコに工場を建設する計画が実現に近づいておりカナダ市場に進出する準備が進んでいる。現在、中国で製造したEVをカナダで販売しているのは米国のメーカーテスラのみ。カナダ政府は中国から輸入されている鉄鋼製品やアルミ製品にも10月15日から25%の追加関税をかける他バッテリー、バッテリー部品、半導体チップ、重要鉱物などにも関税を上乗せする案を検討する30日間の期間を設ける方針。中国政府は直ちに強い反発を示し商務省報道官は関税引き上げは、事実とWTO(世界貿易機関)のルールをないがしろにし中国の再三にわたる厳正な申し入れを無視したものだと批判した。