カンボジア・カンダール州にある「ジャパンハートこども医療センター」。約10年前に日本のNGOが企業や個人からの寄付によって設立した。質の高い医療を受けられることもあり、遠方から来る人もいる。院長の神白麻衣子さんは日本人とカンボジア人約150人のスタッフのリーダー。神白さんたちが力を入れてきたのが小児がんの治療。カンボジアでな年間推定700人あまりが小児がんになっているとされ、生存率は先進国と比べて低く、半数は診察すら受けられていない。1975年、ポル・ポト政権が成立すると極端な共産主義をかかげ170万人以上が犠牲になった。医師などの知識人を徹底的に弾圧し、生き残りは数十人ほどとされている。内戦はその後も続いたが、1991年に和平協定が締結し、国際機関や日本などの継続的な支援を受け、医療システムの再建が進められた。今、新世代の医師たちが現場で活躍するようになっている。カンボジア人のシーパン医師は37歳。この日、小児がん患者の難しい手術に立ち会った。日本人医師のそばで学ぶことで知識・経験を積み上げてきた。このNGOでは患者増加に伴い、新たに小児専門の病院を来月開設する。この日、初めて導入される電子カルテの研修が行われていた。新らしい病院では地元スタッフが大幅に増える予定。
