アメリカ副大統領として3年半務めたカマラハリス氏は今、脚光を浴びている。民主党のトップへの道筋は平たんではなく約束されたものでもない。しかし、大統領を目指しハリス対トランプの戦いになるかもしれない。カマラハリス氏はジャマイカ出身とインド出身の両親のもとカリフォルニア州で生まれ、その後同州で検察官や司法長官を務め2017年に上院議員になった。厳しい質問をすることで知られ、民主党の新しいスターの一人になった。5年前大統領候補を目指したが、早々に撤退した。2020年、バイデン氏はトランプ氏との戦いにハリス氏を副大統領候補に選んだ。米国史上国を最も分断するような選挙の末、バイデン大統領、ハリス副大統領が誕生した。ハリス氏は、トランプ氏が大統領だったことから法的に難しくなった中絶の権利を擁護してきた。バイデン政権では移民対策を任されたが、それが共和党の攻撃の的になっている。最新世論調査でもハリス氏対トランプ氏は僅差でトランプ氏がリードしている。別の調査ではバイデン、トランプ両氏と同様かなりの米国人がハリス氏の仕事ぶりを認めていない。もし、ハリス氏が民主党の党指名を獲得したら、これも歴史的な第1号となる。トランプ氏に対しハリス氏の若さは切り札となる。ハリス氏は59歳トランプ氏は78歳。ジャマイカ出身の父とインド出身の母を持つハリス氏の出身も有利に働き話の通じる候補者としてコミュニティーの票を獲得することができると考えられる。バイデン大統領は移民問題という難しい案件をハリス氏に任せたがハリス氏はメキシコとの国境を訪れた際、誤解や不手際を重ねてしまった。トランプ氏が犯罪行為とみなしている移民の流れを食い止め米国を守ることができなかったと繰り返し主張する。しかし、ハリス氏には奥の手がある。女性の権利、中絶の権利はこの選挙戦の重要なテーマとなる。