今日は贋作に美術館がどう向かうのか考える。高知県立美術館は1996年に1800万円で購入した「少女と白鳥」が去年贋作とわかり、「贋作について考える」と展示のサブタイトルをつけて報告をしている。贋作を描いたのはヴォルフガング・ベルトラッキ氏。ベルトラッキ氏は2011年贋作を描いて組織的に販売した罪などで懲役6年の判決・服役となり、去年NHKの取材に応じ金のためだと否定しなかった。同一人物による贋作は徳島県立近代美術館でもあり、ジャン・メッツァンジェ「自転車乗り」としてこれまで所蔵されていたが、ことし3月に贋作と判断された。ことし5月~6月、この絵を無料公開し、学芸員が来館者の質問に答えた。これらはあってはならない事態だが、いずれも事態把握後速やかに公表し展示で経緯などを説明している。高知県立美術館は目視によるちょうさと来歴調査、科学調査を組み合わせた総合的な検討が必要と指摘している。