2024年12月11日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
あなたのコレクション偽物かも? だまされないポイントは

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(オープニング)
あなたのコレクション 偽物かも?

あなたのコレクションは偽物かも?本人になりすまして作られた偽物が大量に出回っている。名作アニメのイラスト、鑑定で本物とされ数千万円の値がついてアート作品にも疑惑が。今回、偽物で10億円以上をだまし取った人物が取材に応じ、手口を明かした。

オープニング

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あなたのいコレクション偽物かも?だまされないポイントは
大谷翔平選手のサインが… 偽物か?本物か?

15年前からサイン鑑定会社を運営する松本さん。大手スポーツ用品店からスーパースターのサイン鑑定を求められるなど、数少ない専門家の一人。これまで5000件以上の鑑定を行ってきたが特に最近は依頼が急増しているという。中でも最も鑑定を頼まれるのは大谷翔平選手のサイン。松本さんはサインの細かい筆使いなどを観察する。コロナ禍以降、拡大するネット上の取引。松本さんは悪質な出品者がいればネットオークションの運営会社などの通報してきたが、対応が追いつかないほどだという。購入した大谷選手のサインボールが松本さんに偽物の可能性が高いと鑑定された男性。6月、ネット上で大谷選手のサインボールが約28万円で出品されているのを見つけた。ボールの識別番号もあり、ネットでも確認をした。さらに、出品者の評判が極めて良いと示されていたことも購入の決め手となった。それでも、男性は高額だったこともあり筆跡の鑑定を松本さんに依頼したところ、偽物の可能性が高いと告げられた。男性は返金を依頼し、出品者は返金に応じた。偽物は著名なアニメーション作家やアイドルのサイングッズなど多岐にわたる。

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コレクションも絵画も 相次ぐ偽物疑惑

著名人のサインを偽造・販売し逮捕された男性に話を聞いた。男性が明かしたのは手軽の稼げる効率の良さ。商品を送るだけなので手間がかからない、1件あたり万単位の商品も売れた、稼ぐのが楽だったという。その道の専門家が惑わされるケースもある。高知県立美術館が所蔵する絵画に贋作の疑いが浮上した。ハインリヒ・カンペンドンクの「少女と白鳥」、1800万円で購入した。ところが、この絵が本物ではない可能性があることが海外の報道で明らかになった。徳島県立近代美術館でも6720万円で購入した絵画に贋作疑惑が浮上した。10月からはじまった専門家による科学調査。みえてきたのは診断の難しさだった。まず調べたのはキャンバスの下地、贋作の痕跡を探すが不自然な点はない。次に絵の具の成分を調べたが、贋作の証拠は見つからず、調査は今後も続けられることになった。

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10億円以上だまし取った 贋作師の独白

絵画は本当に贋作なのか?絵の所有者を辿っていくと、ヴェルナー・イェーガースという名があった。この人物と関係していたのがヴォルフガング・ベルトラッキ氏。過去に14の贋作で10億円以上だまし取ったとして懲役6年の判決を受けた人物。今はスイスに住んでいるその人物を訪ねた。今はアトリエで自分の作品を描いているという。疑惑の作品について訪ねると、1990年頃に自分が描いたと認めた。それが事実であっても販売から10年以上が経ち時効をむかえている。金のためにやったことは否定しない、恍惚感がたまらなかった、すべての人が本物だと感激するのを楽しんだという。ベルトラッキ氏は贋作の手口を話し出した。ハインリヒ・カンペンドンクの作品の中には戦争の混乱で行方不明となった空白があった。ベルトラッキ氏は彼の作風などを事細かく研究し、描かれた事実はあるものまだ発見されていない作品を狙ったという。使った絵の具は20世紀前半に流通していたものを蚤の市で探し出したという。カンペンドンクになりきって「少女と白鳥」を描いたという。

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あなたのコレクション 本物?偽物?

スタジオにはベルトラッキ氏が描いたとされる贋作の疑いがある作品が登場。高知と徳島の2作品以外にも87あり、うち32は所在が不明となっている。岡部昌幸氏は作品を真似ることはあるが、著名な作家の名前を語ってしまうのは犯罪、芸術に対する冒瀆だと話す。本物か偽物かの判別が特に難しいのは有名人のサイン。岡部昌幸氏は流行に沿って出てくるので対応が難しいという。絵画は総合的に判断するが、サインは判断が一つでしかないという。偽物にだまされないようにするには、偽物の流行を把握すること、感情に盲点があることがポイントだという。大谷翔平選手のサインの変還を紹介、時代によって特徴が異なる。

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氾濫する“偽物” 見抜く切り札は?

先月、スイスで開かれたアート作品のオークション。これまで真贋の鑑定は専門家に依頼してきたが、今回はじめてAIが本物と鑑定して作品を出品した。AIが鑑定するシステムを開発した企業。これまで500件以上を鑑定し、真贋不明だったゴッホの自画像をいち早く本物と見抜くなど実績をあげている。鑑定する絵画の作家の作品やその作家を真似て描いた絵などをAIに学習させて、色合いや構図などを解析し本物か偽物を判断しているという。今回、マリー・ローランサンが描いたとされる作品をAI鑑定にかけることにした。ベルトラッキ氏の贋作かと疑われている。鑑定の結果、本物ではない可能性が72%で贋作と判断された。

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膨大な情報量精密な分析をするAI鑑定について岡部昌幸氏は、前提となるものが美術の場合は新作が全部分かっている分けではないので前提が難しいという。鑑定は特定のもので失敗を重ねてきたが、今は被害が甚大となってきている、専門家などが教訓にして見直す必要があり、大衆も学んでいかなければならない。

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