貧富の格差が激しいインドでは大学受験が貧困から脱却する唯一のパスポートとも言われている。インド工科大学の競争率はおよそ100倍ともされ、受験競争は激しさを増している。インド西部のラジャスタン州には約250の予備校がある。とある予備校ではインド工科大学出身者が講義をしている。年間の授業料は約35万円。インドの平均年収に相当する。受験生は名門大学に入り豊かな暮らしを手に入れるという家族の期待を一身に背負い勉強に取り組んでいる。ニシ・パテルさん(16)もその一人。昨年、母親と500キロ離れた街から移住してきた。朝4時起床、約6時間自習し、予備校でも約5時間勉強する。夢はインド工科大学に合格し、AIなどを学ぶことだという。受験競争が加熱化するなかでプレッシャーに耐えられなくなる若者もいる。ラジェシュ・クマールさんは受験勉強を続けていた息子を亡くした。息子のプラディープさん(22)は医師を目指していた。経済的な余裕がないなか、クマールさんは予備校の費用を土地の一部を売って工面。息子は1日に15時間以上勉強していたという。受験は今年で3回目だったが、命を絶ってしまった。こうした受験生の自殺が相次いで報じられるようになり、心のケアなどの対策が取られ始めている。インド政府も試験に富裕層が有利になるという不満に対策を取り始めている。モディ首相は優秀な講師による無料のオンライン講座を提供する方針を明らかにした。
